ホタテ市場拡大、商社と連携=NY飲食店の販路開拓―ジェトロ

時事通信社
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中国の水産物禁輸の影響を受けるホタテ
〔写真説明〕中国の水産物禁輸の影響を受けるホタテ=20日、東京都江東区の豊洲市場(資料写真)

 【ニューヨーク時事】日本貿易振興機構(ジェトロ)が水産物を扱う複数の日系商社と連携し、日本産ホタテの対米販路開拓事業を2月から始めることが30日、分かった。商社の取引先であるニューヨーク市内などの飲食店にホタテを無償提供し、メニューへの採用を働き掛ける。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて中国市場が消失する中、消費の裾野拡大を目指す。

 日本産ホタテを使ったことがないニューヨーク市内を含む東海岸の飲食店が対象となる。飲食店はホタテをメニュー作りに活用。メニュー化が決まれば日本産を購入してもらい、恒常的に取引される体制を築きたい考えだ。事業は3月まで続ける。

 ジェトロの担当者は「流通体制を構築することが輸出拡大につながる」と意義を強調する。

 今回協力する商社は、ニューヨークで輸出促進を図る官民協議会の参加企業。協議会では、消費者のニーズを捉えた販路開拓に取り組んでいる。

 ジェトロはまた、2月からニューヨーク市内などに店舗を構える持ち帰りすしチェーンにも日本産ホタテを無償配布する方針だ。すしネタに活用してもらう。飲食店とすしチェーンを対象とした事業には、日本政府が2023年9月にまとめた風評対策の予算を充てる。

 日本政府によると、農林水産物・食品の23年の輸出額(速報値)は前年比2.9%増の1兆4547億円と、11年連続で過去最高を更新した。ただ、処理水放出に絡んで中国が同年8月から日本産水産物を禁輸したことを背景にホタテの出荷が低迷し、全体の伸び率は前年の二桁から急減速した。日本政府は米欧などに照準を合わせて販路開拓を急ぐ。

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