イオン、前期の営業収益は過去最高の9兆円台、GMS事業は営業黒字に転換

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イオンが発表した2023年2月期の連結決算は、売上高に当たる営業収益が前期比4.6%増の9兆1168億円となり、過去最高を更新した。(AFP時事)

 イオンが発表した2023年2月期の連結決算は、売上高に当たる営業収益が前期比4.6%増の9兆1168億円となり、過去最高を更新した。GMS(総合スーパー)事業が黒字転換したことなどから、営業利益は20.3%増の2097億円となった。純利益は約3.3倍の213億円に増加し、コロナ禍前の20年2月期(268億円)の水準に近づいた。

 セグメント別では、8つの事業のうち6事業が営業増益となった。GMS事業は、ネットスーパーやプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の売上拡大、AI(人工知能)の活用や在庫削減による粗利益率の改善などで、赤字だった22年2月期から161億円の増益を果たし、140億円の黒字に転換した。

 ドラッグストアのウエルシアホールディングスを中心とするヘルス&ウエルネス事業は、マスクや抗原検査キット、総合感冒薬などコロナ関連商品の販売が堅調に推移、調剤薬局併設店舗の増加による処方箋受付枚数の増加などもあり、営業利益は7.0%増の448億円となった。

 イオンモールが中心のディベロッパー事業は、感染拡大の沈静化で既存モールのテナント専門店の売上高が10.0%増加、営業利益は452億円と16.4%増加した。サービス・専門店事業は、外出規制や営業制約の影響を大きく受けていたアミューズメント施設運営のイオンファンタジーの業績が回復、営業利益は102億円の黒字(22年2月期は30億円の赤字)に転換した。節約志向の高まりが追い風となったDS(ディスカウント)事業とベトナムやマレーシアが業績をけん引した国際事業も増益だった。

 一方、コロナ禍による内食需要増加の反動が出たSM(食品スーパー)事業の営業利益は228億円と25.2%の減益、国内のキャッシング利用の回復が遅れた総合金融事業の営業利益は2.4%減の603億円だった。

 24年2月期の連結業績については、営業収益が3.1%増の9兆4000億円、営業利益が4.9%増の2200億円、純利益が16.9%増の250億円と増収増益を見込む。セグメント別の業績予想は開示していないが、全セグメントで増益を計画している。

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