取扱高160億円突破!ZOZOUSED、お客が何度も利用したくなる「循環型」ビジネスとは

堀尾大悟
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サステナビリティは「楽しさ」から生まれる

マーケティング本部 USED事業部ディレクター
マーケティング本部 USED事業部ディレクターの島村龍也氏

 2005年にファッション専門オークションサイトとして創業した「クラウンジュエル」をZOZOが買収し、ZOZOUSEDがオープンしたのが2012年。以来、ZOZOグループの子会社としてリユース事業を地道に拡大し続けてきた。

 「大事にしてきたのは、ユーザーの皆さまにファッションを自由に楽しんでもらいたいということ」

 クラウンジュエル時代から一貫してユーズド事業に携わってきた島村氏はこう強調する。買い替え割などのユニークなサービスも、AIの導入も、ユーザーに対する体験価値の向上を考え続けてきた中で生まれたものだ。

 近年ではSDGsのトレンドやフリマアプリなどCtoC(個人間取引)市場の成長もあり、リユースがますます身近な存在になりつつある。「今の若いユーザーはもはや、手放す前提でモノを購入するようになっている」(島村氏)。新品と古着の双方のアイテムがシームレスに展開されるZOZOは、その新たな購買行動にフィットしているといえるだろう。

 ZOZOグループが2021年に発表した「サステナビリティステートメント」でも、重点取り組みの一つに「サステナブルなファッションを選択できる顧客体験の提供」を掲げている。ZOZOUSEDはその重点取り組みの中核事業に位置づけられ、グループ内でも欠かせないピースになっている。

 「これからも『ユーザーに気軽にファッションを楽しんでもらいたい』という基本的な軸は変えずに、買い替え割をはじめとするサービスを少しずつ改善しながら顧客体験をつくり込んでいきたい」

 島村氏はこう語る。SDGsの言葉が登場する以前からリユースビジネスに取り組み、アイテムを「購入する」だけでなく「手放す」も含めた循環型ファッションを確立してきたZOZOUSED。ユーザーにとっての「楽しさ」を追求し続けることで、これからもファッションにおける新しいサステナビリティの形を私たちに見せてくれるだろう。

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