消費者視点に立った寡占化

2012/04/18 00:00
Pocket

 米国では、小売業界の寡占化が進んでいる。

 ドラッグストアは3社(ウォルグリーン、CVSケアマーク、ライトエイド)、ホームセンターは2社(ホームデポ、ロウズ)、ディスカウントストアは3社(ウォルマート、ターゲット、Kマート)、ホールセールクラブは2社(コストコ、サムズ)といった具合だ。

 

 欧州しかり。日本もまたしかりである。

 母国での厳しい競争を勝ち抜いた小売企業は、今度は“グローバルリテーラー”と化して世界市場を目指す――。

 それは、拡大抜きには成長できないチェーンストアにとっての宿命と言っていいかもしれない。

 

 今号の特集にあるように、日本の小売業界もM&A(合併・買収)、合従連衡と規模拡大、寡占化の動きが俄然、活発化してきた。ただ、あくまでも見誤りたくないのは、そのことは消費者にとって何の関係もないということだ。

 

 消費者にとって、寡占化は、選択の幅が狭まるという意味においては、むしろマイナスだ。また、英国のように物価を高止まりさせる要因にもなりかねない。

 

 消費者視点に立った規模拡大や寡占化とは何であるか、を企業経営者は今一度自問してみたい。

 

(『チェーンストアエイジ』誌2012年5月1日号)


 

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態