イオン都市型フォーマットのモデルとなるか!? イオンスタイル有明ガーデンの売場を徹底分析

矢野清嗣
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都市型店舗のモデルとなるか!?

 イオンではかねて、「ファミリー・単身」「人口増加エリア」を都市型店舗のキーワードに掲げ、「イオンスタイル」屋号の出店に力を入れている。この有明ガーデン店はまさにこのキーワードにマッチした店舗であり、食品に特化した新たなフォーマットづくりに挑戦している様子が窺える。

 直近では、セブン&アイ・ホールディングス(東京都)も「首都圏食品戦略」をぶち上げ、首都圏での食品スーパーに注力する戦略に舵を切った。イオングループとしても、この店舗をモデルとし、首都圏における食品スーパーフォーマットの展開を強化したいという思惑があるのかもしれない。小売の両雄が都市型スーパー強化となれば、競争激化は避けられない。

セルフスキャン導入で接触回避!

 売場を見ていこう。有明ガーデン店の売場面積は約2285㎡。駐車場に続く入口付近に総菜売場、2階フロアを結ぶエスカレーター付近に青果、ベーカリーを配置。エスカレーター側から見て左サイドに、肉料理専門店「ガブリンググリル」、選べるおかずメニューを提供する「リワードキッチン」、寿司や海鮮丼を揃える「魚魚彩」と、個性的な直営専門店を導入している。右側の壁面は大型酒類売場の「「イオンリカー」を展開する。

 平場は左側から順に、和日配、日用品、加工食品、菓子、飲料、アイスクリーム、冷凍食品、チルド飲料を配置。ベーカリー売場は直営で、イートインに連動させるかたちで展開している。

 レジはセミセルフレジで、レジ8台に精算機17台を配置する。特徴的なのは、専用スマートフォンを使って、セルフスキャンで精算する「レジゴー」を導入している点。東京都内の店舗でレジゴーを導入するのは初となる。

レジゴーを利用中の画面。スキャン精度はかなり良いと感じた

 開店時は、専任の担当者を配置し、端末の使い方をお客に説明していたが、約2カ月経過すると、お客の多くはとくに説明もなく、レジゴーを利用していた。家族連れのお客が、子供にスキャンを任せている様子を見かけるなど、かなりお客に浸透している印象だ。昨今のコロナ禍もあって、レジでの接触がなく買物ができるレジゴーは、確実に稼働率が上がっていると思われる。

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