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気になる健康キーワードは「血液サラサラ」顕在化する健康志向食品の“プチブーム”

2017/03/01 00:00
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    文=土井 晴子

    日本能率協会総合研究所
    グローバル事業部
    消費者研究部

     

     日本能率協会総合研究所は、1998年から「健康ニーズ基本調査」を継続的に実施している。最新版「健康ニーズ基本調査2016」から、注目すべき結果をいくつか紹介したい。

     

     まず、「血液サラサラ」というキーワードにあらためて注目が集まっている。同調査において「気になる健康用語」を聞いたところ、「血液サラサラ」を挙げた回答者が45%となり、2015年から16年で11ポイント(pt)増加した(図1)。

     

    図1●気になる健康用語として「血液サラサラ」を挙げた回答者の割合

     

     過去の調査結果を見ると、04年の63%をピークに、07年は40%台、11年には30%台にまで落ち込んだ。その後も緩やかな減少が続いたが、16年はその傾向が一転したかたちだ(04~11年は10~60代の合計値、12年以降は10~70代の合計値)。

     

     年代別に分析すると、男性では60代、女性では70代の回答者が最も多く、男女ともシニア層ほど関心が高い。15年と比較すると、ほとんどの年代で増加しており、70代女性では22pt増と伸び幅が最も大きかったほか、男女とも20代、50代、60代で10pt以上増加している。

     

     また、「血液サラサラ」のほかにも、「悪玉コレステロール」「血圧」「血管年齢」「血糖値」など「血」にまつわるキーワードが上位に挙がっている。

     

     「健康ニーズ基本調査2016」では、「健康維持のために定期的に摂取している健康志向食品」についても調査した。何らかの健康志向食品を定期的に摂取している人は全体の54%を占めた(図2)。15年調査では機能性表示食品解禁の影響からか60%だったが、16年は元の水準に戻ったようだ。年代別にみると、60、70代男性、40~60代女性で60%を超えており、なかでも50代女性は73%で最も高い。15年と比較するとほとんどの年代で減少しているが、70代男性は5pt、60代男性では3pt増加した。

     

    図2●何らかの健康志向食品を摂取している回答者の割合

     

     定期的に摂取している健康食品として最も多かったのは「サプリメント」が30%、「栄養ドリンク」「特定保健用食品」が10%台で続いた。

     

     また、「健康のために摂取している食品・飲料」は、「納豆」「ヨーグルト」が約60%で双璧をなし、「牛乳」「豆腐」「トマト」と続く。

     

     前年調査と比較できる169品目を見てみると(図3)、1pt以上増加したのは75品目、1pt以上減少したのは13品目となり、増加した品目のほうが圧倒的に多かった。そのうち4pt以上増加したのは10品目で、「チョコレート」が6pt増と最大の伸び幅を見せた。次いで、「はちみつ」「キムチ」「しょうが」「めかぶ」「大豆」「甘酒」「梅干し」「キャベツ」「豚肉」の順で伸び幅が大きかった。

     

    図3●食品・飲料の前年比較で増減した品目数

     

     そのほか、回答率は10%に満たないが、15年から選択肢に加えた「甘酒」がほぼ倍増、「チアシード」も2倍以上に増加している。10年ほど前に巻き起こった「健康ブーム」の際には、多くの消費者が同じ食品に殺到していたが、16年の結果を見ると、一人ひとりの“プチブーム”が顕在化していると言える。

     

    (「ダイヤモンド・チェーンストア」2017年3/1号)

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