「進化系」登場で、中食で「アテ巻き」流行の予感!背景に寿司酒場ブーム

2023/05/05 05:55
佐藤 良子
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「アテ巻き」と呼ばれる寿司をご存知だろうか?「アテ」とは「酒肴」を意味し、おつまみになる寿司のことを言う。シャリが少なく、味付けされた具材が主役の細巻きで、「寿司居酒屋」「寿司酒場」業態が2021年頃から増加して知られるようになった。そんな外食で認知が広がった「アテ巻き」だが、より華やかにして中食に落とし込んだ店がある。それが大阪の企業、よつばしフーズが2022年6月に展開した細巻き専門店「米処 ゆず乃」。同店が提案する「食べる宝石細巻き」は、手土産などにすれば歓声必至。彩りよくて美味しく、食べやすい、”進化系アテ巻き”が流行の予感だ。

ゆず酢を使う寿司飯がさっぱりとし、アテのような素材合わせの具材が特徴。「スイーツが苦手な人はいるが、海苔巻きが嫌いな日本人はいない」と手土産に買うお客が多数
ゆず酢を使う寿司飯がさっぱりとし、アテのような素材合わせの具材が特徴。「スイーツが苦手な人はいるが、海苔巻きが嫌いな日本人はいない」と話す代表の黒川氏。手土産に買うお客が多数

醤油不要で美味しい、美しきアテ巻き。

 大阪・心斎橋の大丸百貨店に、20226月に誕生した「米処 ゆず乃」。看板の「食べる宝石細巻き」は、寿司飯にゆず酢が使われたさっぱりとした味わいと、「アテ巻き」をイメージした具材の組み合わせが特徴。

 例えば、叩いたマグロと刻んだ沢庵を巻き、スダチを乗せた「とろたく」。キュウリ巻きの上にキクラゲの柴漬けを乗せた「柴きゅうり」。トロサーモンとトビコを巻き、上にイクラを乗せた「とろサーモン」。甘辛く炊いた穴子と椎茸を巻き、胡麻を散らした「穴子椎茸」、シメサバを巻き、ガリを上に乗せた「ガリ鯖」といった「食べる宝石細巻き」が目を惹き、通りがかるお客が次々と足を止める。

 実際に食べると「アテ」をイメージしているため中の具材にしっかり味が付いており、醤油も不要。子供からお年寄りまで楽しめて、ポイポイ口の中に放り込める食べやすいサイズも魅力だ。

物販はディスプレイや照明一つで立ち止まってもらえる割合が変わるのが面白いと話す黒川氏
物販はディスプレイや照明一つで立ち止まってもらえる割合が変わるのが面白いと話す黒川氏

 中でも、行儀よく折り箱に整列した姿が愛らしい、「食べる宝石 細巻き24貫」2700円、424212円の折り箱は特に売れ筋で、売れ数はそれぞれ月間300食前後。昨年の年末年始には、いなり18個、細巻き77個入りで11880円という高額予約商品「驚愕の助六!ゆず乃詰め合せ」も3日間で30食売るなど売上を延ばし、誕生から1年未満のブランドにして23年度は7000万円の売上を見込んでいるという。

 

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