イオン、ヨーカ堂も本気、模倣困難な水準へ進化する総菜のSPA化!
自社独自のロードマップ策定を
このように、市場において十分な競争力を有する大手流通グループ2社が、ほぼ同じタイミングで総菜SPA化の実現に向けて本腰を入れ始めた。これが意味するのは、前述した市場環境の変化のなかで差別化を図るためには、総菜のバリューチェーンを一貫して自社でコントロールすることが、避けてとおれないということだろう。
限られた人時で効率的に、かつ安定して高品質な商品を供給する。一方で、店内調理での出来立てを訴求したり、あるいは専門店レベルの手の込んだメニューを提供する。多様なニーズに応えた豊富な総菜メニューを揃えるためには、SPAを軸とした製造・開発戦略と、それに見合った設備や人材、技術を保有しなければならない。
それを志向する企業と、そうしたアクションを起こさずに既存の限られた人的リソースと外部メーカーへの依存でやりくりしている企業との格差は、今後ますます広がっていく可能性が高い。
ただし総菜SPAの手法は、企業規模や投資余力によって大きく変わってくる。先進企業のやり方をなぞってもうまくいく保証はなく、“戦略なきSPA化”は投資リターンを得られずに瓦解してしまうリスクもある。自社のポジショニングとSPA化によるゴールを明確にしたうえで、実現のためのロードマップを策定することが先決だ。
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