いまやスイーツに焼き肉も!? 飲み会回復とともに注目したい〆グルメ

「ホットペッパーグルメ外食総研」所長 有木 真理
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パフェにケーキ…
〆スイーツがもはや定番に!?

上位10位のうち半分が、スイーツなどカフェメニューだった
上位10位のうち半分が、スイーツなどカフェメニューだった

 では、実際にどんな〆グルメにニーズがあるのだろうか。

 飲んだ後に食べて帰りたい〆グルメについて、34種類のメニューをピックアップして調査したところ、1位はラーメンで、これは予想どおりの結果となった。ラーメンは2位のお茶漬けに倍ほどのポイントを付け、大差での王者となった。

 興味深かったのは、上位10位のうち半分が、スイーツなどカフェメニューだったということだ。3位には、2位のお茶漬けと誤差のアイス、その他にもパフェやケーキがランクインした。

 〆グルメといっても、従来の「炭水化物×汁もの」だけではなく、メニューとしては甘いスイーツ、業態としてもカフェを選択する消費者も増えているように見える。札幌で人気に火が付き、今や全国で主流になっている「〆パフェ」を中心に、夜だけ営業しているアイス店など、全国で「飲んだ後の〆スイーツ」が食べられるお店が増えていることは多くの人に知られつつある。

 お酒を飲まない、もしくはあまり飲まない層が、2軒目以降、居酒屋やバーではなく、カフェやスイーツショップなどで甘いもので〆るシーンが増えているだけではなく、お酒が主流のバーなどでも、ノンアルコールの甘いスイーツをイメージしたカクテルや、スイーツそのものを取り扱うお店も増えており、それを楽しむカスタマーを目にする機会も増えたように思う。昨今の〆グルメは、お酒を飲む人、飲まない人、双方のニーズを満たすべく多様化しているのだ。

 そのほかにも、“〆の焼き肉“など、意外性のある選択に体験価値を求めるカスタマーもおり、エンタメ性も高まっているように感じる。

 コロナで自粛を余儀なくされた飲食も徐々に回復を見せ、今後、盛り上がりが期待されるナイトマーケット。ライフスタイルの変化、飲酒シーンの多様化などにより2次会のかたちや〆グルメも多様化はさらに加速しそうだ。この変化は、飲食業態だけでなく、食品小売業の食提案においても、新たな提案のヒントがあると考える。今後も、各地であっと驚く〆グルメの登場を楽しみにしている。

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【執筆者】

執筆者

有木真理(リクルート『ホットペッパーグルメ外食総研』所長)

飲食チェーン店での勤務やフードコーディネータ、リクルートライフスタイル沖縄の代表取締役社長を経て、現職。東京と沖縄の2拠点生活を送りながら、現在は販促渉外部長も兼任。外食回数年間300回と、大の外食好きで、日本各地の外食事情に詳しく、立ち飲みから超高級店まで幅広いジャンルに精通。食を通じて「人」と「事」をつなぐ活動のオーガナイザーとしても活躍。沖縄スポーツ関連産業協会の理事も務めているため、食以外にも観光、スポーツにも関わっていることから外食だけでない視点での食トレンドを語ることができる。

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