流通総額で日セブン-イレブン越え!買物代行から脱皮したインスタカートの戦略

鈴木 敏仁 (R2Link代表)
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アメリカの買い物代行のイメージ
買物代行サービスはもはや「買物を代行する」というビジネスモデルでは語れない存在になりつつある

 日本でもようやくスポットライトが当たり始めた買物代行というビジネスは、アメリカでは「買物を代行する」というサービスモデルからとっくの昔に脱皮して似て非なる存在となっている。ここ数年に売上が急伸して私は独立した業態として確立したと考えている。

 今のところ唯一上場しているのがドアダッシュ(DoorDash)で業績を把握できるのだが、2021年度の年商は48億8800万ドル、140円換算で7000億円弱に達しており、中堅レベルの小売や外食企業を軽く超えてしまっている。

 執筆時点での時価総額は約200億ドルなので日本円で2兆8000億円とイオンよりも大きい。また流通総額は419億4400万ドルなので日本円で約6兆円となりセブン-イレブン・ジャパンを超えている。

 EC流通総額ランキングをつくるともちろんアマゾン(Amazon.com)が圧倒的な1 位で、次いでeベイ(eBay)、ウォルマート(Walmart)、ドアダッシュと続くのだが、25年にはeベイが落ちてドアダッシュは3位になるだろうという予測すらある。

 これが規模感である。業態として確立したという私の見解に納得していただけただろうか。

インスタカートが新プラットフォームを発売

 インスタカート(Instacart)が9月に新たなプラットフォームの販売を開始した。

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記事執筆者

鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

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