明暗!ライフ、U.S.M.H、アークス、2024年2月期決算分析!
主要食品スーパー(SM)の2024年2月期決算は客単価が上昇するなど、コロナ禍における特需の反動で落ち込んだ過去2年間から業績が回復。増収大幅増益となる企業が多かった。本稿ではライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:以下、U.S.M.H)、アークス(北海道/猫宮一久社長COO)の本決算をレポートする。
ライフコーポレーション
営業収益は過去最高にPB「ビオラル」を拡大
ライフの2024年2月期連結業績は、営業収益8097億円(対前期比5.8%増)、営業利益241億円(同26.0%増)、経常利益249億円(同24.6%増)、当期純利益169億円( 同27.1%増)と増収・2ケタ増益だった。
営業収益は過去最高、各段階の利益はコロナ禍で内食需要が急増した20年度(21年2月期)に次ぐ過去2番目の水準となった。

健康志向の商品や冷凍食品、総菜などが好調で、既存店売上高が同2.9%増に伸びたほか、10店の新規出店が増収に寄与した。既存店の客数は前期割れから回復し、微増、客単価が2.3%増と伸びた。
粗利益率は31.4%と0.3ポイント(pt)改善。相場の回復した水産、店頭陳列を自社で手掛けるようになった冷凍食品の粗利益率が大きく改善したことによる。販売費および一般管理費(販管費)は人件費が増加したものの、販促費などを低減し、売上高に占める比率を32.1%と前期並みに抑えている。
期中は「勝どきミッド店」(東京都中央区)、「下目黒店」(同目黒区)など売場面積200坪前後の小型店などを含む10店を出店し、1店を閉鎖。既存店活性化では「東中野店」(同中野区)、「石津店」(大阪府堺市)など9店を改装した。
「スマイルライフ」、ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)と共同開発する「スターセレクト」などを含むプライベートブランド(PB)の合計売上高は748億円と前期から10.0%増え、PB比率は9.6%と0.5pt上昇。とくに近年力を入れる自然派PB「ビオラル」が同35.6%増と好調で、20年2月期からの4年間で約4倍に成長した。
25年2月期は「目黒八雲店」(東京都目黒区)、「松ヶ崎店」(京都府京都市)など首都圏6店、
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