物流生産性を飛躍的に向上させる!MonotaROの物流戦略とは

松岡 由希子 (フリーランスライター)
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13期連続で増益のMonotaRO(モノタロウ:兵庫県/鈴木雅哉社長)は、これまで売上規模や商品の取り扱い数拡大とともに倉庫の在庫保有能力と出荷能力を拡充してきた。在庫工程や出荷工程でかかるコストを抑えるための設備投資も継続して取り組んでいる。今後は、現在稼働している主要3拠点のほかに新しい物流拠点の建設を予定しているという。

業績伸長とともに物流拠点を拡大

 MonotaROは、切削工具や研磨剤などの工業用資材から自動車関連商材、工事用品、事務用品まで、約1900万点の工業用間接資材を取り扱う事業者向け通信販売会社だ。2022年12月期の売上高は対前期比19.1%増の2259億円と、11年12月期以降、13期連続で約20%増のペースで伸長し続けている。

2021年11月に竣工した物流施設「プロロジスパーク猪名川1」内に開設した「猪名川DC」
2021年11月に竣工した物流施設「プロロジスパーク猪名川1」内に開設した「猪名川DC」

2021年11月に竣工した物流施設「プロロジスパーク猪名川1」内に開設した「猪名川DC」

 MonotaROが抱える在庫商品点数は51万8000点にのぼり、物流拠点は売上高ベースで約3000億円規模まで対応できる体制となっている(22年12月末時点)。主要な物流拠点としては「笠間ディストリビューションセンター(DC)」(茨城県笠間市)、「猪名川D C」(兵庫県川辺郡)、「茨城中央サテライトセンター(SC)」(茨城県東茨城郡)があり、全国から受注した商品の約7割(売上高ベース)をこの3拠点から出荷している。

 MonotaROは事業の拡大や社会的・技術的変化に合わせて物流拠点を整備し、売上規模の成長と連動して在庫保管能力を段階的に拡大してきた。その歴史を振り返ると、2007年1月に4万5000点の在庫保有能力を有する旧「尼崎DC」(兵庫県尼崎市)の稼働を開始し、アウトソーシングから自社運営に切り替えた。14年には旧尼崎DCに代わって最大約40万点の在庫が可能な新「尼崎DC」(兵庫県尼崎市)をメーンの物流拠点として開設。

 その後、17年に笠間DCの稼働を開始し、21年にはそのバックヤード機能として茨城中央SCを開設すると、合計在庫商品点数は約49万7000点となった(21年12月末時点)。22年4月には60万点の在庫保有能力を有する猪名川DCが稼働を開始し、尼崎DCは22年12月末にここへ移行した。

 プライベートブランド(PB)商品や海外から調達する商品の在庫を大量に保管するためのバックヤード機能は、2万7000点の在庫保有能力を持つ茨城中央SCのほか関西エリアに点在する複数の倉庫が担っている。

 MonotaROの在庫商品点数は毎年4万~5万点のペースで

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記事執筆者

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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