家具の買い取り再販売も!イケアが注力する循環型ビジネスの全貌とは
高価格ではないサステナブル商品
イケア・ジャパンはサーキュラービジネスのほかにも、売場やバックヤードでさまざまな取り組みを行う。
新三郷店の売場2階にある「サステナブルに暮らすアイデア」コーナーでは、快適で健康的かつサステナブルな暮らしを提供する商品を提案する。たとえば、余った食材をピクルスやジャムにすることを提案し、その際に使用できる保存用ガラス容器や、最大40%の節水が可能なキッチン混合栓、簡単に分別できるゴミ箱などを揃える。

同じく2階にある「イケアのサステナブルな取り組み」コーナーで販売を強化するのは、環境配慮型の商品だ。充電式電池やマイボトル、洗って使えるシリコーンゴム製のフードカバーなどを品揃えする。
フードコートでは、植物由来の原料のみで作ったプラントベースのサステナブルフードを提供し、肉の風味や食感を再現した「プラントボール」などのメニューをラインアップする。イケア・ジャパンが展開するフードコートの全メニューに占めるプラントベースフードの割合は80%にのぼり、イケアが出店する各国の中で最も高い。
そのほか店舗屋上には、太陽光パネルを設置している。太陽光パネルで発電した電気は、商品配送用のEV車の稼働に使用される。新三郷店では23年4月から2台のEV車を導入し、国内では合計8台が稼働中だ。イケアはこの取り組みで、25年までに温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション配送」をめざす。
イケアがサステナビリティ戦略でとくに重視しているのは、サステナブルな商品の開発にあたって、品質をダウングレードせず、価格設定を抑えることだ。たとえばサステナブルフードでは、動物の肉を使用したアニマルベースフードの同額以下でプラントベースフードを提供している。
イケアは、気候変動によってビジネスそのものが成立しなくなる可能性を危惧するべきだとし、ホームファニシングのリーディングカンパニーとして優先的にサステナブルな施策に取り組む姿勢を見せる。
DCS Report の新着記事
-
2025/04/18
関西初の直営カフェ併設店「ビオラルうめきた店」の売場づくりとは -
2025/04/18
ヨークHD再成長の命を握る?「ヨークパーク」の全貌とは -
2025/04/02
「#ワークマン女子」から「Workman Colors」へ 売場・商品はどう変わった? -
2025/04/02
早くも3店舗体制に! ロピアの“青森戦略”の成否を現地で考察してみた -
2025/03/17
ローカル小売とメディアが連携!「九州リテールメディア連合会」の深謀 -
2025/03/15
欧米小売に学ぶ「包括的な売場づくり」の意義と手法とは
この連載の一覧はこちら [279記事]
