DCS編集部が選ぶ、2022年10大ニュース!

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毎年恒例の「ダイヤモンド・チェーンストア編集部が選ぶ流通業界10大ニュース」をお届けする時期となった。2022年の小売業界は、前年に続いてコロナ禍に翻弄されたうえ、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する世界経済の混乱に巻き込まれるなど、波乱の一年となった。ただ、強い逆風にさらされるなかでも、新業態の開発や新エリアへの進出などさらなる成長をめざす動きも見られた。22年の流通業界をにぎわせたニュースを振り返っていこう。

続くNBの値上げラッシュ
光熱費高騰が業績を直撃

 2022年の流通業界10大ニュースの第1位は「相次ぐ値上げ……インフレ時代に突入」だ。新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーンの寸断、日米の金利政策の違いによる急激な円安進行、そして22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、世界経済の混乱が続いている。原材料価格、物流費の高騰に加えて、コロナ禍が一服したことによる世界的な食品需要の回復などさまざまな要因が絡まり合った結果、足元で起こっているのが食品の「値上げラッシュ」だ。

スーパーで買い物をする人
2022年の流通業界10大ニュースの第1位は「相次ぐ値上げ……インフレ時代に突入」(i-stock/Hakase_)

 国内では22年下半期からナショナルブランド(NB)商品の値上げが相次いでおり、ピークの22年10月にはNB約6700品目が値上げ。一度値上げした商品の“再値上げ”も行われている。NB商品だけでなく、精肉や鮮魚の仕入れ価格も高騰しており、回転寿司チェーンの店頭から「1皿100円」の商品が消えたことも話題になった。23年以降も加工食品を中心に約2000品目の食品の値上げがすでにアナウンスされており、消費への影響が懸念されている。

 エネルギー価格上昇に伴う、水道光熱費の高騰も深刻だ。発表済みの小売業の中間決算(2・3月期)では、水道光熱費の高騰を理由に減益となった企業が続出。巣ごもり消費の恩恵を受けて増益決算が相次いだ前期から一転し、小売業は軒並み減益基調となっている。原材料価格と同様に、水道光熱費も高止まりするとみられており、通期決算も厳しい着地となる企業が多そうだ。

 第2位は、「セブン&アイ、そごう・西武を売却へ」だ。セブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)は22年11月、子会社のそごう・西武(東京都/林拓二社長)を米ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)に譲渡すると発表した。

西武SEIBU ロゴ
第2位は、「セブン&アイ、そごう・西武を売却へ」

 セブン&アイとしては、かねて不採算が続いていた百貨店事業を切り離し、コンビニエンスストア事業をはじめとした主力事業に経営資源を集中させる構えだ。一方の米フォートレスは、家電量販店大手のヨドバシカメラ(東京都)を傘下に抱えるヨドバシホールディングス(同)をビジネスパートナーとして、そごう・西武の再生を図るとしている。

 そごう・西武の現在の店舗数は10店舗。どの店舗が家電量販店に転換されるかは未定だが、主要都市の中心部に店舗を展開しているだけに、その再生策が注目される。

中部、そして台湾にも進出
ロピアの快進撃が止まらない!

 続く第3位は、

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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