「商品・売場改革」を推し進め四国SM市場のシェア3割めざす=マルナカ 藤本昭会長

聞き手:下田健司
構成:田中 浩介
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鮮度と品質の高さを強く打ち出す

──競争がますます激化していくなかで、どのような手を打ちますか。

藤本 14年度は「お客さまの期待を超えた『商品・売場改革』を実現し、お客さまの信頼に応えよう」というスローガンを掲げ、商品政策(MD)と売場づくりを見直しているところです。

 まず食品は、当社の武器である農産部門で鮮度の高さの訴求を強めています。当社は全国の産地と直接取引している青果、地域の卸売市場を通じて仕入れる青果、生産者直送の青果を取り扱っています。全国と地場の両方と綿密な関係を築き、鮮度の高い青果を売場に揃えられることが当社の強みです。このパイプをより太くすることで、商品のさらなる強化をめざします。

マルナカ

 たとえば、販売数量と在庫量の管理を緻密に行い、鮮度の高いうちに商品を売り切るように努めています。当社の店長の約8割は農産部門の出身です。店長と農産のチーフが協力して売場を維持することで、いつ来店しても鮮度の高い青果が並ぶようにしています。

マルナカ

 また、価格の打ち出しも強めています。購買頻度の高い「ベーシック商品」については、地域最安値をめざします。大根やレタスや白菜、キュウリなどはつねに価格訴求しています。そして競争の厳しい店舗では、競合店に負けない価格で販売するように個店対応もしています。鮮度の高さと低価格を両立させることで、お客さまの支持を獲得できると考えています。

 水産部門と畜産部門では、地場商品を強化しています。香川県産の「オリーブハマチ」は丸物から切り身、サク、刺身までお客さまの用途に合わせてSKUを増やしています。畜産は地元で人気の高い香川県産「オリーブ牛」を訴求するほか、焼き肉はタンやホルモンなど地域一番の品揃えで、差別化を図っています。

 総菜部門では、生鮮3部門が販売する野菜や鮮魚、精肉を素材にしたメニュー開発にチャレンジしています。たとえば、水産部門とともに開発した「あじフライ」や「さんまフライ」はヒット商品となっており、1日100枚以上販売する店舗も少なくありません。

 看板商品の開発にも力を入れており、今年5月には香川県産の米「おいでまい」と、素材や味にこだわったおかずを揃えた「ダントツ弁当」(税抜498円)を商品化しました。このほか、総菜子会社の味彩工房(香川県/中山明憲社長)では、高松市内の著名料理人の監修を受けた商品の販売を始めたところです。今後も、競合店では扱っていないような差別化商品を増やしていきます。

──そのほかのカテゴリーはいかがでしょうか。

藤本 当社は日配品や加工食品などの食品とノンフードの品揃えの拡充が課題となっていました。そして、11年のイオングループ入り以降、バイヤーの数を増やして、お客さまのニーズに対応できるワンストップショッピングの実現を図ってきました。

 それでもノンフードは見直すべき点がたくさん残っています。なかでもヘルス&ビューティケア(H&BC)の苦戦が続いています。当社は小型SM(売場面積1000平方メートル未満、)SM(同1000~3000平方メートル)、GMS(同3001平方メートル以上)の3パターンの店舗があり、おもにSMとGMSにH&BC売場を展開しています。

 現在、ダイエー(東京都/村井正平社長)やイオンリテール(千葉県/梅本和典社長)などグループ会社のH&BC部門から出向してきた社員が、品揃えや売場の改善に着手したところです。H&BCを含めた「商品・売場改革」を成し遂げるには、あと2~3年はかかると見ています。

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