物流センター新設で出店スピード加速!2020年日本国内50店態勢へ=コストコ ケン・テリオ

聞き手:下田健司
フードマーケットクリエイティブ:太田美和子
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──そのような状況のなか、コストコの顧客の購買行動に変化はありますか。法人会員と個人会員と2種類の会員がいますが、それぞれどのような購買動向を示していますか。

テリオ 当社の顧客全体について言えば、顕著な変化は見受けられません。当社の哲学は、いつでもできる限りの低価格と高品質の商品を提供することです。その価値がより多くの人々に認識され、利用が増えたことが変化と言えば変化でしょう。

 個人会員は以前からほかの小売店同様、給料日直後に売上が増える傾向があります。ただ、今年の夏期は支出を抑え気味でした。消費税増税に不安感を抱いていたところに、ガソリン価格が7月から急上昇したからです。それにより、購買動向に若干の変化がありましたが、これも周期的なものとみています。基本は、先ほど言ったように月末になれば売上が跳ね上がります。

 法人会員は今後も増え続けるでしょう。新規出店した地域でも、コストコの活用方法をよく理解され、週に1度といった定期的な来店につながっています。

 当社は卸売業ですから、食品製造業やレストランチェーンへコンテナ単位での商品販売も行っています。中間流通を一切通さずにメーカーから直接仕入れているため、商品を低価格で提供できることが、多くの企業に徐々に理解され始めています。今後も成長する分野だと考えています。

毎月200~300SKUの商品を入れ替える

──海外からの輸入商品はどれぐらいの比率を占めるのですか。

テリオ 倉庫店の取扱商品は3300から3500SKUの間で、季節によって変わります。季節の変わり目には2つの季節の商品を併売しますからSKU数は増えます。ただし管理の観点から3500SKU以上にはならないようにしています。

 輸入商品の取り扱いに関しては、日本の消費に合った商品構成での提供が重要だと考えています。加えて、コストコは出店国の経済を支援する方針です。したがって現在、日本の国産品が約60%、輸入品が約40%の商品構成です。

 日本のコストコは独立運営していますから、バイヤーとアシスタント・バイヤー合わせて150人ほどが買い付けをします。常に会員の興味を喚起するよう、毎月200から300SKUの商品の入れ替えを行います。SKU数は限られているため、一つひとつの商品の品質が確かで、確実に売れる商品であることが非常に重要です。バイヤーにはその見極めが求められます。

 出店国ごとの売れ筋を調べ、各国でその情報を共有するのがコストコのやり方です。たとえば、日本からは台湾、オーストラリア、英国などの支社に商品を販売し、逆に輸入もするといった具合です。コストコ全体で売れ筋を共有化することが大きな販売数量をつくることにつながっています。

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