会見速報!セブン&アイ、米セブン通じて、コンビニ3位Speedway買収

2020/08/03 08:33
『ダイヤモンド・チェーンストア』編集長 阿部幸治

 今回、セブン&アイは210億ドルを費やして、米国コンビニ3位で3900店舗を展開するスピードウェイを買収する。これにより米国セブン-イレブンのシェア率は9%に伸長、全米で1万4000店舗を展開することになる。

 スピードウェイは、米石油精製会社マラソン・ペトロリアムが展開するコンビニ事業で、大型給油施設を100%併設しており、1店あたりのガソリン販売量は米国セブン-イレブンの1.5倍である。スピードウェイ事業の19年度商品売上は63億ドルでEBITDAは15億ドル。売上に占めるガソリン販売の比率は76.5%で、粗利額構成では48.9%を占める。

 米国セブン-イレブンとスピードウェイは店舗網において重なりが少ないのが特徴で、「米国の人口密集地トップ50のうち47の市場でプレゼンスを獲得できる」(井阪社長)。

 セブン&アイは以前からスピードウェイの買収交渉を進めていた。だが、今年3月には価格面が折り合わず、買収を断念したとの報道も一部では出ていた。210億ドルはセブン&アイの財務基盤に対して、大きな影響を与えるものとなるが、米国セブン-イレブンのジョセフ・マイケル・デピント社長は「取得できなかった時のデメリットとして、取得に成功したライバルに事業拡大されてしまう懸念があった。(米セブン-イレブンが)プレゼンスを持っていなかった市場で(今後新たに)プレゼンスを持つことは難しくなっただろう」と語っており、是が非でも欲しかった案件であったと言えるだろう。

 では、今回の買収でどのようなシナジーが享受できるのだろうか?デピント社長は「店舗数が1万4000店舗になることで、商品と燃料事業双方でシナジーを享受でき、売上と粗利がさらに押し上げられるだろう。デジタル面でのイニシアチブも推進でき、両者合わせた会員数は4000万人という規模になり、デリバリーの仕組みであるセブンナウを1万4000店舗に展開できるであろうし、モバイルチェックアウトも導入できる」と語る。その結果、金額にして取得後3事業年度までの間に4.75億ドル〜5.75億ドルのシナジーを見込んでいる。

 なお取得価額は210億ドルと書いたが、買収後約50億ドルのセール・リースバック、約10億ドルの試算売却(純額)を行うことに加え、約30億ドルの節税効果が得られるため、実質的な取得価額は約120億ドルとなるとセブン&アイは発表。先述したシナジーを見込んだEBITDAマルチプル(=EV/EBITDA、買収コスト回収期間を示す)は7.1倍になると試算している。

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