数億円を売るYouTuber ヒカルにみる、日本におけるライブコマース成功のヒント
日本でもライブコマースの認知が上がってきているものの、成功事例といえばYouTubeライブで圧倒的なフォロワー数を誇るようなインフルエンサーが商品の説明を行っているパターンです。これはYouTubeのリーチ力の高さが目立っているためで、他のプラットフォームではライブコマースという観点ではほとんど変化がありません。今後、日本においてライブコマースが日々の生活に浸透していくようになるためには、どのようなピースを埋めていく必要があるのでしょうか。

日本におけるライブコマースの実態
日本のライブ配信を牽引しているInstagram、YouTube、TikTokをライブコマースの観点から比較してみると、YouTubeは圧倒的にチャンネル登録者数が売上高を決定付ける結果となっています。自明の理ですが、視聴者数が多いほどライブコマースをやるとモノが売れるのです。
最近では有名な話ですが、Youtuberのヒカルさんが企業とのコラボスニーカーで大きな結果を出したように、チャンネル登録者数が数百万人を超えるようなプレーヤーが数千万円~数億円を売るというかたちがYouTubeにおけるライブコマースの主力です。InstagramやTikTokでは、逆にフォロワーの少ない方がライブ配信を行っており、ヒカルさんのように数億円という規模ではないものの、数十万円~数百万円を売る方が複数いるなど、規模的な違いがあります。
さらに日本のライブコマースには2つの方向性があり、企業が発信者になってライブでモノを売るパターンと、個人が発信者になってモノを売るパターンに大きく分かれます。中国でうまくいっているのは後者なのですが、日本では今まで個人ではなく企業が発信を行っていました。楽天やメルカリなどさまざまな形で試みてきましたが、そのほとんどが大成功とは言えない結果となっています。この結果を紐解くと、日本のライブコマースの壁が顕著に現れているのです。