経営幹部の意見を一蹴!Z世代の声からつくった「キラキラドンキ」が絶好調の理由

取材・文:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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商品を使った感想をPOPで伝える

キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店の店内
店内には至る所でドン・キホーテ公式キャラクターのドンペンが姿を見せている

 ここからはキラキラドンキの売場づくりをみていこう。同店の売場面積は287.04㎡で、中心となるコスメ4000アイテム、菓子1400アイテムのほか、加工食品や飲料、雑貨など合計約6000アイテムを取り扱う。

キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店 沢里優美店長
沢里優美店長

 売場づくりでは、既存店で従業員の意見を基にした取り組みを成果につなげた実績のある沢里優美(さわさとゆうみ)店長のもと、Z世代の意見を取り入れながらアミューズメント性あふれる演出が多くみられる。たとえば、ドン・キホーテの公式キャラクター「ドンペン」を前面に打ち出し、大小多くのぬいぐるみを店内随所に飾っているほか、POPや天井から吊り下げたオーナメントなどでもドンペンのデザインを大量に使用。色味やデザインのニュアンスなどはZ世代のスタッフの意見を反映させている。

 POPでは、スタッフがお絵描きアプリでイラストや商品を使った率直な感想を書いた個性あふれるものが多くの商品に添えられている。「ドン・キホーテの既存店で取り扱っている商品も多いが、『この店はトレンドのものが完璧に揃っている』という声をいただくこともある。それはこの店がZ世代の感性に合わせた売場づくりをしているからだ」(沢里店長)。

キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店のスタッフがお絵描きアプリで作成したPOP
POPはスタッフがお絵描きアプリで作成し、商品を使用した感想なども掲載している

 商品の品揃えは、最初こそ既存店で好調だったアイテムが中心だったが、次第に現場従業員の意見で展開しているものも増えてきている。オープン時は従業員の約60%がZ世代で、彼女らの感性に響かなければ、本部が提案した商品でも売場には並ばない。基本的には、Z世代に好評なトレンド商品やSNS映えするもの、他の店舗にはない珍しい商品などを取り扱う。

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取材・文

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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