アルペンと“冬の女王”広瀬香美の意外な関係 TVCMの広告費をプラスマイナスゼロにした方法とは?
WIN-WINの関係が生み出した“冬の女王”
締めてみれば、広瀬さん、CD会社、芸能プロダクション、アルペンの4者がWIN-WINの関係になっていた。その後、広瀬さんは、「幸せをつかみたい」(1994年)、「ゲレンデがとけるほど恋したい」(1995年)、「DEAR…again」(1996年)、「真冬の帰り道」「promise」(1997年)、「ストロボ」(1998年)など、次々とウインターソングをヒットさせ、あっという間にスターダムに駆け上がった。いつしか“冬の女王”と呼ばれるまでになった。
水野名誉会長は、「アルペンの場合は、良いと思われる曲を選んでCMでたくさん流すから売れるのです」と振り返っていた。実際、1996年のCMソングである「DEAR…again」は、広瀬さんが1993年に出したアルバムの中の1曲に過ぎなかったが、水野氏は「素晴らしい」と実感し大きく評価。若干のリメイクを施してシングル曲としてリリースしたところ、80万枚の販売に達した。
その後アルペンには、さまざまなCD会社や芸能プロダクションから楽曲の持ち込みがあった。広瀬さんを交代させるわけにはいかないので、「kissmark(キスマーク)」など別ブランドのイメージソングを担当してもらい、そこからアルペンのTVCMはさらなる好循環をつくりだしそれにともないアルペン自体の業容も拡大していった。