大型センター建設でセンター出荷型ネットスーパーを強化するイトーヨーカドーの戦略とは
セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:セブン&アイ)傘下のイトーヨーカ堂(東京都/三枝富博社長)は、国内の食品小売業のなかでも早期にネットスーパーを展開してきた企業の1つだ。そんな同社は新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下でサービスのリニューアルや新しい販促方法に挑戦し成果を出している。その試みと今後の成長戦略を取材した。
業界に先駆けてダークストアを開設
イトーヨーカ堂がネットスーパー事業に乗り出したのは2001年。東京都江戸川区の「葛西店」で、店舗出荷型の形式で開始した。以降、対応店舗を増やし、現在では約130ある全国のイトーヨーカ堂の店舗のうち107店(21年11月末)で「イトーヨーカドーネットスーパー」を提供している。

同社がネットスーパー事業を拡大する過程で注目を集めたのが15年3月、他社に先駆けてダークストア「ネットスーパー西日暮里店」(東京都荒川区)を開業したことだ。同店の売場面積は約3600㎡で、取扱品目数は約1万。ネットスーパーの受注、商品の梱包、出荷作業に特化して行う拠点として開設した。全長約600mのコンベアや専用ハンディターミナルなどの設備を導入し、1日の出荷可能件数は従来の店舗出荷型と比べて約5倍の最大2000件まで拡大。同店の存在によりサービスエリアを広げた。
直近の利用動向については、コロナ感染拡大による非接触ニーズの高まりによりイトーヨーカドーネットスーパーも伸長している。21年度に入ってからも高止まりの傾向にあり、ネットスーパーの既存店1店舗当たり売上高は、コロナ前と比較して1割増で推移しているという。なかでもネットスーパー西日暮里店の売上は2割以上の突出した伸びを示しており、全体の成長に寄与している。
多くの新規利用者を獲得できた意外な場所
イトーヨーカドーネットスーパーが好調な要因は、コロナ禍の影響だけではない。同社が長年の知見を生かしてサービスを改良し続けていることも挙げられる。
まず、同社が注力しているのが欠品率の改善だ。




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