アマゾンとの提携に、ダークストア、ラストマイル子会社…加速するライフのネットスーパー戦略とは?

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ネットスーパー新時代

ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:ライフ)がネットスーパーの展開を加速させている。自社運営にとどまらず、2019年にはアマゾンジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長:以下、アマゾン)との提携を発表、売上高を拡大し続け、2030年には売上高1000億円の達成を打ち出している。この一大目標をいかに達成しようとしているのか。

30年度までに売上高1000億円をめざす

 ライフがネットスーパーに参入したのは2013年2月期、まずは東京、大阪の計10店舗で試験的に導入し、以降、サービスを改良しながら、対象店舗およびサービス提供エリアを拡大してきた。現在では首都圏29店・近畿圏36店の計65店舗でサービスに対応している(21年12月時点)。

 ライフのネットスーパーは、店舗スタッフが商品をピッキング、梱包し、配送委託先が注文客の指定した場所に届ける「店舗出荷型」のモデルをとっている。

ネットスーパーで注文が入った商品を選ぶライフのスタッフ
ライフは2019年9月からアマゾンと提携し、注文後最短2時間配送をスタート。新規顧客の獲得につながっているという

 配送料金は注文金額5500円(税込、以下同)未満で440円、5500円以上は220円となる(一部店舗で異なる)。品揃えは店舗によって異なるが最大1万SKUを扱う。

 ライフは現在、19年2月期を初年度とする4カ年の「第六次中期経営計画」を推進中だ。このなかで同社は「ライフらしさ宣言」として今後めざすべき姿を明示しており、ネットスーパーを「競合他社との差別化を図れる強み」にまで成長させる方針を掲げている。

 この方針のもとライフは、自社運営だけでなく他社とも手を組みながらネットスーパーを強化してきた。19年4月には配送業務の効率化を図るべく、セイノーホールディングス(岐阜県/田口義隆社長)および子会社のベクトルワン(大阪府/田中靖文社長)との業務提携を締結。19年9月にはアマゾンジャパンとも提携し、アマゾンの配送網によって注文後最短2時間で配送できるネットスーパーサービスをスタートさせた。配送料金は自社運営と異なり、8000円未満の注文の場合は390円、8000円以上の場合は無料だ。最低注文金額は2000円。利用にあたって別途、月間500円または年間4900円の「Amazonプライム」会費が必要となる。

 現在、対応エリアを拡大中で、すでに東京23区と13市、神奈川8市、埼玉5市、千葉13市、大阪20市、京都3市、兵庫6市と首都圏・近畿圏の広範囲をカバーしている(21年12月末時点)。

 アマゾンとの提携はスピーディな事業拡大や配送以外にも効果があるという。岩崎高治社長は

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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