TOKYO BASEがZ世代から支持される理由と東京がショールーム都市になる衝撃
TOKYOをショールームシティにするのが合理的戦略
世の中は、リアル店舗をショールーム化するOMO(店舗とECの融合)が紙面を飾っているが、もっと世の中を俯瞰して見れば、さらに大きな可能性が見えてくる。
つまり、消費は期待できないがアジアのファッションリーダーであるTOKYOを、アジアのファッション・ショールームシティとし、グレーターチャイナ(中国に韓国、台湾を含める経済圏)や、成長著しい東南アジアでマネタイズ(売上を上げること)するポートフォリオ戦略だ。これこそ、日本のアパレルがすべき戦略のように思う。
実際、「ユニクロTOKYO」や「TOKYO BASE」は、等しくMade in Japanをひっさげ、同社は両方ともアジアから収益を上げ、ユニクロに至ってはすでに海外からの利益が日本を抜かしている。「TOKYO BASE」もアジアに多くの店舗をすでに展開しているようだ。こう考えれば、なぜファーストリテイリングが今東京で工場を設立し、「ユニクロTokyo」を銀座のフラッグシップショップを立ち上げたのかスッキリと理解できる。つまり、「TOKYO BASE」と「ユニクロTokyo」は、まったく同じ将来戦略を目指していると考えるのが自然だ。
日本(TOKYO)のブランド展開はあくまでも広告宣伝で、アジアにEC、店舗展開し売上・利益を得るという考え方である。もはや、日本という国で売上を上げ続けることは困難だ。上記は、大胆な仮説だと思う方は、私が書籍『生き残るアパレル死ぬアパレル』(ダイヤモンド社刊)で書いた「7つの予言」を見返してもらいたい。ほぼ全てがこの一年で実現され、いまやなんの目新しさもないではないか。
一足飛びに、この段階に到達するとは私も思っていないが、「こうなるだろう」という仮説をもち、その「構え」をとるかとらないかで企業の将来の優劣はきまってくる。
現状のビジネスモデルはバブル時代につくられたもので、その延長線上に解は無いのだ
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プロフィール
河合 拓(事業再生コンサルタント/ターンアラウンドマネージャー)
ブランド再生、マーケティング戦略など実績多数。国内外のプライベートエクイティファンドに対しての投資アドバイザリ業務、事業評価(ビジネスデューディリジェンス)、事業提携交渉支援、M&A戦略、製品市場戦略など経験豊富。百貨店向けプライベートブランド開発では同社のPBを最高益につなげ、大手レストランチェーン、GMS再生などの実績も多数。東証一部上場企業の社外取締役(~2016年5月まで)
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