TOKYO BASEがZ世代から支持される理由と東京がショールーム都市になる衝撃
TOKYO BASEが高価にもかかわらずZ世代に支持される理由
Z世代は合理消費をすると延べた。しかし、日経新聞では、Z世代を狙った韓国、中国の「激安アパレル」が越境ECをひっさげシェアを拡大していると報じ、同紙が分析したマトリクスによれば、価格帯はユニクロより下だった。しかし、Z世代に支持されているTOKYO BASEは、1-3万円以上の商品が主軸で、ユニクロとは比較にならないほど高価だ(もちろん、Z世代といっても下は中学生から上は大学生・新社会人も含まれ一概には言えない)。
TOKYO BASEは今私が最も注目している企業で、マザーズに上場し業績を上げている。同社は、「STUDIO」、「UNITED TOKYO」、「PUBLIC TOKYO」、「A+TOKYO」、「THE TOKYO」の5つのブランドを持っており、「TOKYO」という文字をフューチャーしている。実際、TOKYO BASEは、全アイテムをMade in Japanで提供している。何か買おうかと思ったが、私が欲しいと思う商品は全く無かった。50代アッパーの私は、同社からしてみればターゲット外のようである。
TOKYO BASEのブランドで驚いたのは、主要なよい店舗に必ず目につくこと、そして「TOKYO」という文字と奇抜なファッション(オフィスに来てゆけないモード系)だった。私は前号で、ユニクロのようなベーシック衣料が売れているのは着回しが良いからと叫んでいたが、Z世代は気に入らないものは一切消費しないが、気に入るものは一着3万円の服でも買う。消費にメリハリがついているという意味ではこれも合理的消費と言える。だから、Z世代は服に3000円以上はつかわないという分析は間違っているし、あえていえばそれは中学生、高校生だろう。
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