エブリイが15期連続2ケタ増収を達成!

千田 直哉 (編集局 局長)
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 広島県福山市に本拠を構える食品スーパー(SM)企業のエブリイ(岡﨑雅廣社長)は2015年6月期決算を発表した。

 売上高は606億円と対前期比26.4%増で15期連続での2ケタ増収を達成。既存店伸長率は同9.2%増で、こちらは消費税増税時期を挟んで20か月連続で対前期比を超えた。

 この間、同社は、「超鮮度」「専門店化」「独自固有」をキーワードにした次世代フォーマット「鮮Do!エブリイ」5店舗(連島店、海田店〈第28回ストア・オブ・ザ・イヤー 最優秀賞受賞〉、長楽寺店、伊勢丘店、西条御薗宇店)を新規出店。これは1年間では過去最多の出店数になる。

 また、「食材」を「食財」に変える「6次化」の取り組みを本格スタートさせた。

 農産部門では、アグリンクエブリイ広島にて世羅農場営農を始動させ、福山地区の9 店舗限定で作物を納品している。水産部門は、香川県引田漁港から水揚げ数時間以内に店舗に直送する「漁船丸ごと一艘買い」を開始し、こちらは岡山地区の7 店舗に納品している。

 さらには、人間の性格や行動特徴を類人猿になぞらえることで円滑な人間関係のヒントを学ぶ「類人猿セミナー」や店長や幹部候補生を対象にしたコミュニケーション講座「人間塾」など合計44 回の研修を実施。参加者数は延べ1163人に上った。

 「類人猿セミナー」はTV東京の人気番組『ガイアの夜明け』でも紹介されている。

 2015年6月期の採用は、正社員229 人、パート・アルバイト773人。在籍スタッフからの紹介による入社は、パート・アルバイトでは 4分の1を占めている。

http://diamond-rm.net/articles/-/10969

 さて、2016年6月期の重点取り組み事項は以下の3つだ。

 ひとつには、広島県・岡山県に新規3 店舗(蔵王店、竹原店、玉野店)を出店すること。

 2つめは、グループ力を結集した6次化プロジェクトのさらなる推進で、産地開拓を進め、農家や漁師との直接取引を増やすこと。

 そして3つめは、消費者に喜んでもらえる調理提案や対面での接客などを通し、「ワクワクするお店づくり」を進めること。

 この実現に向けては、「働く社員がイキイキ働く環境づくりが不可欠。独自の研修などを通じ、社員のモチベーションのアップに努め《日本に類のない人創り企業》を目指す」(同社)としている。 

記事執筆者

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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