大差をつけない限り(ピザ編)

2014/09/26 00:00
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 今度はピザである。

 セブン‐イレブン・ジャパン(東京都/井阪隆一社長)は、10月28日から該当エリアの一部店舗から「熟成生地のトマトチーズピッツァ」(税抜167円)順次開始すると発表(2014年9月25日)した。

 

 その特徴は、

 ・熟成させた生地を手で伸ばすことでより手作り感のある本格的な生地に仕立て

 ・高温短時間で焼き上げることで表面を香ばしく中はふっくらとした味わいに仕上げ

 というもの――。

 

 このニュースリリースを見て、地団駄を踏んだ商品開発担当者も多かったのではないだろうか。

 

 それというのもピザは、特に食品スーパーにおいては、潜在性の高い注目メニューだからだ。

 インストアベーカリーコーナーに「ピザ窯」を導入して焼きたてを販売する企業もあるし、オーケー(東京都/簗瀬捨治社長)では、1枚約30cmのピザ(「マルゲリータ」「シーフード」「ポテトツナコーン」「ウインナーと野菜」「ブルーチーズと4種のチーズ」「ソーセージとカレー」)を469円(税抜)で販売。夕方には売り切れてしまう大ヒット商品に育成している(取り扱いはベーカリー設置店のみ)。

 

 もちろん、カウンターフードとしての存在感もある。

 会員制ホールセールクラブのコストコホールセール・ジャパン(神奈川県/ケン・テリオ社長)のフードコートでは、「コンボ」「チーズ」「ペパロニ」の3種類の焼き立てピザが、スライス(税込250円)、ホール(税込1400円)の形で低価格で販売され、カウンターに立ち寄る大半のお客が購入している。

 

 では、なぜ、多くのコンビニエンスストアでは、これまでカウンターフードとしてピザを取り扱わなかったのだろうか?

 商品化が難しい、売れないだろう、業態との親和性が悪い…といった否定的な理由は、いくらでも思いつく。

 そこでブレーキがかかってしまうのだろう。

 

 ただ、今後、セブン‐イレブンの後を追うような格好でピザを導入する企業が増えるに違いない。

 

 やはり、既存の価値観や常識を否定し、自社の独自性をしっかり追求し、大差をつけない限り、何をやっても結局は1~2社を独走させてしまうことになる。

 

 

【熟成生地のトマトチーズピッツァ】

 ●販売開始日:2014年10月28日(火)

 ●販売(予定)エリア:1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、東海(静岡県、愛知県、岐阜県、三重県)、関西(京都府、大阪府、奈良県、滋賀県、和歌山県、兵庫県)、中国・四国(広島県、岡山県、島根県、香川県、徳島県、愛媛県)
 

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