メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン 代表取締役社長 石田隆嗣
「お客さまと一緒に」をキーワードに顧客のビジネスの発展をサポート!

2010/10/26 00:00
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──顧客一人ひとりのニーズは異なります。きめ細かく対応するポイントは?

 

石田 各店舗の置かれた状況、たとえば食文化や地域の食材の流通事情などによってお客さまへの対応方法は異なります。お客さまのニーズをしっかりと吸い上げ、店づくりに反映するにはどうしたらいいのかというのを、その場で考えながら対応しています。

 

 「これが当社の提案の標準パターンです」と対応方法をがっちりと固定すればお客さまから支持は得られません。あくまでもお客さまのニーズに合わせるためにはどうしたらいいのかをまず考えるのです。ただし、毎回異なる方法で提案すると、お客さまは混乱します。地域性を考慮しつつどう標準化するのか、そのバランスをうまく取ることが重要です。当社が展開するプライベートブランド(PB)商品についても、お客さまの声を聞き、ニーズにしっかりと応えられるよう開発することを第一としています。

 

──成功した提案にはどのようなものがありますか?

 

石田 以前、試食会で赤ワインと鴨フィレ肉のお寿司を提案しました。「お寿司と赤ワインも結構合うね」とお客さまからの評価は上々。これは、今までビールと焼酎だけを取り揃えていたお客さまに、赤ワインを購入してもらうきっかけにもなります。当社の店舗にはソムリエが常駐していますので、赤ワインに詳しくないお客さまでも、希望する価格帯やメニューに合わせてワインリストを作成することができます。メトロでは、こうしたトータルサポートができるのです。

お客さまが欲する商品を品揃えする

──9月17日に開業した高崎店(群馬県)を見ると、真空パックされたポテトサラダやきんぴらごぼうなど、簡便商品が充実している印象を受けます。この1年間、商品政策(MD)に変化はありますか?

 

石田 現在のMDの基本は、われわれが売りたいものを取り揃えるのではなく、お客さまが欲している商品を品揃えすることです。たとえば一般的に、商品の入れ替えの際、数字だけを見て死に筋の商品をすぐにカットすることがあります。しかし、お客さまがメトロに来店する動機に、「その(死に筋の)商品が置いてあるから」ということもたくさんあるわけです。

 

 最適化を優先するとお客さまのニーズを置き去りにしてしまうのです。最適化というのは当社の問題であって、お客さまには関係がありません。

 

 だから、品揃えは数字だけで取捨を決めていません。お客さまの声に真摯に耳を傾け、時にはお叱りも受け、それをしっかりととらえて改善につなげていく。これを続けていくことがいちばん大切なことだと考えています。

 

 ただし、死に筋商品をカットする場合も当然あります。その際は、カットした商品に替わるソリューション、商品を提案する必要があります。

 

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