トイザラス・インク(米国) 会長兼最高経営責任者(CEO) ジェラルド・ストーチ
リアル店舗とeコマースが融合したマルチチャネル戦略で次世代のトイザらスをつくる

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──SBSの発想はどこから出てきたのでしょうか?

 

ストーチ SBSはカナダのチームが考えたもので、モニカ・メルツ氏がリーダーでした。彼女を日本法人に送り込んだのは、SBSの戦略を誰よりも速く推進できると信じるからです。

 

 SBSの強みは、2つのことが同時にできる点にあります。すなわち、玩具も買えるし、ベビー用品も同時に買える。ベビー用品を求めて妊婦さんがSBSに来店すれば、ベビーザラスと同時にトイザラスも認識することになります。そのため、妊娠中から出産後の数年間はベビーザラスをご利用いただき、お子さまが成長したら、同じ店舗で引き続きトイザラスをご利用いただくことができます。

 

──SBSに加えて、米国内では期間限定の「ポップアップストア」を出店していますね。

 

ストーチ 「トイザラス」は、玩具専門店として世界で最も認知されたブランドです。当社の店舗を利用したいと思っているお客さまは多いですが、年間を通じてあらゆる場所で店舗展開するのは難しいことです。

 

 国によりますが、当社が進出している国のほとんどはクリスマスシーズン、つまり第4四半期に需要が跳ね上がります。通常時とクリスマスシーズンでは、1週間の売上高に10倍の差がつくほどです。需要の高まるその期間だけ限定で「ポップアップストア」をオープンすることで、より多くのお客さまにお買い物の機会を提供しようというのがコンセプトです。

 

 また景気低迷期にはショッピングセンター(SC)の空室率が高まりますが、どのオーナーもクリスマスシーズンだけでもトイザラスが出店すれば集客力が高まると考えます。そこで、需要と供給が合致したわけです。

リアル店舗とeコマース
将来は完全に融合する

──また過去数年間に、インターネット関連企業数社を買収しています。

 

ストーチ インターネット関連企業を多く買収してきたのは、当社のビジネスを強化するのがねらいです。

 

 米国内で当社はeコマースサイトの「トイザラス・ドットコム」「ベビーザラス・ドットコム」を展開してきました。それに加えて09年に、かつては競合だったeToys.comを買収しました。さらに、ニューヨークのマンハッタンにある玩具の有名店「FAOシュワルツ」と、傘下のeコマース事業「シュワルツ・ドットコム」なども買収しています。

 

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