一気に進んだ欧州小売のECシフト総まとめ アルディ、リドルも動く!
モリソンズはオカド&アマゾンと提携
セインズベリー(Sainsbury’s)でもコロナ禍でECの需要が急拡大している。週当たりの受注件数は従来の37万件から20年度第1四半期には65万件超に増加した。
セインズベリーでは、高齢者や妊婦ら、コロナ禍で外出自粛を余儀なくされている消費者に向けて、生活必需品のオンデマンド型配送サービスを展開している。20年4月、都市封鎖に伴い臨時休業していたロンドン中心部ブラックフライアーズのコンビニエンスストア(CVS)「セインズベリー・ローカル(Sainsbury’s Local)」を配送拠点に転用し、生活必需品を注文から1時間以内に宅配する「チョップ・チョップ(Chop Chop)」を試験的に導入。月以降は、英国20都市50店舗にこのサービスを拡大させている。食料品や日用品など、約3000品目を品揃えし、専用モバイルアプリから最大20品目を注文できる仕組みだ。
モリソンズ(Morrisons)は、ネットスーパー専業のオカド(Ocado)との提携のもとで14年にネットスーパーを開設して以来、イングランド西部ドードンにあるオカドのカスタマー・フルフィルメント・センター(CFC)から商品を出荷してきたが、受注件数の増加に伴って、モリソンズの約40店舗でも出荷体制を整え、英国世帯の90%以上をカバーしている。
モリソンズは16年6月にオカドとの契約を見直し、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com:以下、アマゾン)とも積極的に提携している。20年5月、アマゾンの即時配送サービス「プライムナウ(Prime Now)」に対応する店舗を17店舗から40店舗以上に倍増させたのに続き、8月には食料品を注文当日に配送する「アマゾン・フレッシュ」に出店。ベーシックライン「マーケット・ストリート(Market Street)」や付加価値型「ザ・ベスト(The Best)」といったモリソンズのプライベートブランド(PB)商品を中心に、幅広い商品ラインアップを提供している。
モリソンズでは、コロナ禍での巣ごもり需要に対応し、20年4月、生鮮食品などを箱詰めした宅配専用食材セット「モリソンズ・フードボックス(Morrisons FoodBoxes)」のオンライン販売を開始した。4カ所の食品加工工場で週当たり10万点以上の商品供給体制を整備し、旬の青果物、精肉、ソーセージ、チーズなど、英国内の農産物を集めた食材セットやグルテンフリー食材セット、ビーガン向け食材セットなど、品揃えを拡充させている。
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