「アボカドをどう売ればいいと思う?」

2018/07/25 15:25
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 「ダイヤモンド・チェーンストア」8月1・15日号では、成長を続けるリージョナルチェーン、アクシアル リテイリングの特集をお届けする。雑誌が発売されたら是非注目していただきたいのが、表紙だ。同社の原和彦社長が冒頭の言葉を店長に投げかけているシーンを採用している。

 

 事の発端は、6月末に長岡市内で開催された同社の定時株主総会でのことだ。1人の株主から「アボカドをもうちょっと日持ちするようにしてほしい――」という声が挙がった。
その株主はアボカドが好きで1度に数個まとめて購入する。買った当日のアボカドは問題ないが、3~4日目に食べるアボカドは劣化してしまうから何とかしてほしいと言うのだ。

 

 この言葉を受けた原社長は、今回の特集取材で長岡市内の店舗を案内して下さった際、取材の合間に、「(株主からの意見に対して)何か対応策を打てないか」と店長と真剣に議論を始めたのだ。

 

 アボカドは青果のなかでも鮮度管理の難しい商品だ。

 アクシアルは数年前まで、アボカドがすぐに劣化するのを防ぐため、熟成しきる少し前の状態で提供していた。しかし「購入したその日に使えない」というクレームが挙がったことから、購入当日に食べごろの状態で提供できるように改善を重ねてきた経緯がある。すると今度は「鮮度を数日持たせてほしい」という要望が寄せられたのだ。

 

 「購入後3~4日経過した商品の状態まで小売側が責任を負う必要はないのでは・・・」と私は思ってしまったが、原社長から発せられたのは「次の課題を頂戴した」という言葉だった。

 

 今回の特集では、アクシアルが全社で日々改善を続ける企業であることにクローズアップしている。それが実現できるのは、トップに立つ原社長自身の、顧客一人ひとりの声に真摯に耳を傾け改善し続けようという強い意志があるからなのだと身を持って感じた。(O)

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