イトーヨーカ堂が、総菜・冷凍食品・日配を一体化させる驚きの理由と効果とは

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食品MD大

セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)傘下の総合スーパー(GMS)イトーヨーカ堂(東京都/三枝富博社長)は、総菜を商品政策(MD)の柱に位置付け、冷凍食品、日配品を含めた三温度帯での商品展開に注力している。また、酒類やオーガニック食品などコロナ禍でニーズが高まる商品の品揃え拡大を図るほか、グループのシナジーを生かした収益性向上にも取り組んでいる。

特定のカテゴリーへのポイント施策を導入

 イトーヨーカ堂はコロナ禍1年目の2020年度以降、変化する消費者ニーズに地道に対応してきた。具体的には、「旬や季節を感じられる品揃えと売場づくり」「消費者が今欲しい商品をいつでも値ごろな価格で提供」「消費者の不満や不便の解消」という3つの方針に基づいてMDを進めている。

イトーヨーカ堂取締役執行役員食品事業部部長 荒谷一徳氏
取締役執行役員食品事業部部長 荒谷一徳氏

 コロナ禍では、消費者が混雑する時間帯を避けて安心して来店でき、そのとき欲しい商品を値ごろな価格でいつでも購入できるよう、チラシによる特売からEDLP(エブリデー・ロー・プライス)政策に切り替えた。取締役執行役員食品事業部部長の荒谷一徳氏は「お客さまから信頼される品揃えと価格を常に提案することで、客数が徐々に伸びてきた」とその効果を評価する。

 また、値引き販売を中心とした従来の販促施策を見直し、ロイヤルカスタマーに向けたポイント販促を強化。「寿司の購入でポイント10倍」のように、特定のカテゴリーの購入に対してポイントを付与する施策を導入した。荒谷氏は「特定の商品を押し付けるのではなく、お客さまがカテゴリー内で欲しい商品を自由に選び、最適な量を値ごろな価格で購入できることが望ましい」と語る。21年度はこうした施策の見直しが寄与し、上期では既存店客数が対前年同期比0.8%増。食品の既存店売上高も同0.6%増と前期実績を上回るペースで推移している。

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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