ストア オブ ザ イヤーの変遷 PART2

2014/04/10 08:00
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 4月8日のBLOGでは、『チェーンストアエイジ』誌が毎年発表してきた「ストア オブ ザ イヤーの変遷」を紹介した。

http://diamond-rm.net/articles/-/10203

 

 

 ランキングの歴史を眺めていくうちに思うことがあったので、記しておきたい。

 

 1980年代後半から1990年代中ごろまではGMS(総合スーパー)の時代だった。

 というよりも、故中内功さんが率いるダイエー(東京都/村井正平社長)の時代だったと言っていい。

 スーパーセンターの「ハイパーマート」(ダイエーハイパーマート二見店)やGMSを核にしたショッピングセンター「ショッパーズプラザ」(ダイエー横須賀)、会員制ホールセールクラブの「KOU’s(コウズ)」など特に業態開発の面で小売業界を牽引。「ストア オブ ザ イヤー」は、その都度評価してきた。

 そこに効率・品質経営のイトーヨーカ堂(東京都/亀井淳社長)が割って入るという構図がしばらくの間続いた。

 

 風向きが変わってくるのは、1990年代中盤からだ。

 超大型ショッピングセンターが日本全国に花開く時代を迎えた。

 バブル経済が弾けたにもかかわらずまだ景気が良かった、あるいはバブル期に仕込んだ物件が開業したためだろう。

 1991年に大規模小売店舗法の定める商業活動調整協議会(商調協)が廃止されてから運用が大きく緩和されたことが起点となったものとみられる。

 

 ディスカウンター(DS)のカウボーイを核にした上越ウイングマーケットセンター、食品スーパー(SM)のマックスバリューとDSのメガマートを組み合わせたジャスコパワーシティ四日市。

 キャナルシティ博多、マイカル明石、横浜ベイサイド マリーナショップス&レストランツ、ヴィーナスフォートと実に6年間にわたってショッピングセンターが第1位を獲得することになった。

 

 2000年代前半からは、SMの時代となり、現在に続いている。

 過去5年間を振り返るとヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)と阪食(大阪府/河村隆一社長)で分けあっており、ことにストアオブザイヤーに限って言うなら、「西の阪食、東のヤオコー」という構図になっている。

 

 実は、阪食は2006年、第1回、第3回のストアオブザイヤーを獲得したニッショーを買収している。これを組み込むと、全27回のうち阪食が4回、ヤオコーが6回(最多)受賞していることがわかる。

 約30年という歳月の中で、ひとつの傾向が出ていることは、非常に興味深い。
 

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