「Digital CAFIS」で決済手段の多様化への対応をサポート、柔軟でスピーディーな開発体制も=NTTデータ

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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NTTデータが提供するキャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」。国内ほぼすべてのクレジットカード会社および金融機関と、100万店以上の加盟店を結び、35年以上の運用実績を持つ日本最大級の決済プラットフォームだ。安定稼働と高信頼性を確保する「CAFIS」だが、最近では決済手段の多様化への対応など加盟店の価値向上をサポートする必要が高まっている。そこでNTTデータが打ち出しているのが「Digital CAFIS」だ。

小売、サービスのデジタル化に対応

渡邊 賢 氏
ITサービス・ペイメント事業本部カード&ペイメント事業部戦略・ビジネス企画統括部 統括部長
渡邊 賢

 消費者のさまざまな購買行動に対応して、決済もクレジットカードや電子マネー、コード決済などキャッシュレス決済が浸透するとともに使用する決済手段も多様化している。とくに新型コロナの感染拡大でステイホーム、非接触が当たり前となっている状況で、ECが伸長しパソコンやスマートフォンで決済を行うケースが増えている。

 NTTデータが提供している、キャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」では、加盟店の店頭でクレジットカードを提示して決済する際に、そのカードの情報をクレジットカード会社や金融機関に照会し決済を行う際に使用されている。それに対してECではスマホなど個人の情報端末上のアプリからID、パスワードで決済を行う。クレジットカードなどの個人の決済情報は、情報端末に搭載されることで購買の利便性を向上させた。

 そうしたテクノロジーの進化で、小売やサービスなど「CAFIS」の加盟店のデジタル化も進み、「そのデジタルをベースにした、新たな価値創造も求められるようになっている」とNTTデータITサービス・ペイメント事業本部カード&ペイメント事業部戦略・ビジネス企画統括部の渡邊賢統括部長は語り、「多様な顧客ニーズに対応するだけでなく、むしろリードしていくビジネス戦略」が「Digital CAFIS」のねらいだと話す。

新サービスの構想から展開までワンストップで提供

 もちろん既存の「CAFIS」は重要なバックボーンであることに変わりはない。「CAFISは重厚長大型、ウオーターフォール型の開発・運用は続く。それとは別に新サービスを提供するために8人程度で構成するスクラムチームをつくり、アジャイルでサービス開発していく」と変化するテクノロジー、ニーズに高いアジリティにより対応する手法が、既存の「CAFIS」と異なる点だと強調する。その体制で顧客の新サービス構想から導入、改善や展開までワンストップで提供していくのだという。

 小売やサービスが取り組むDXは、業務効率化だけでなく新たな価値創造が目的だ。そのために必要なのが2つのプラットフォーム。

 まず、マーケティングや調達・販売、店舗やビジネス運営、財務・会計や人事・組織といった経営情報など業務のあらゆるシーンをデジタル化し情報連携をめざしている。「決済にとどまらずビジネスプロセスを1つのプラットフォーム上に統合し、事業活動にかかわるデータを見える化するとともに、それら事業データを分析・検証することで事業成果の質や精度を高めることを支援する」(渡邊氏)のがデジタルプラットフォーム。

 さらに多彩な購買行動のシームレスな接続、多様なチャネルや決済手段へのワンストップ接続、省人化への対応など業務のデジタル化、データ活用を共通APIにより統合しペイメント周辺の課題を解決するオムニプラットフォームである。

 DX実現のために不可欠なのは、企業自体の改革とビジョン。そこで重視すべきポイントの1つが「価値観と組織風土」。新たな価値創造をめざす新しい組織と、オペレーションの効率化をめざす既存組織では、組織としての価値観、風土がまったく異なる。

 価値創造主体の組織は情熱と多様性をベースとした自主自立組織であり、創造性とチャレンジを重視するフラットでボトムアップ型の風土を持った組織だ。もちろんオペレーション品質や生産性の向上は企業が取り組む継続テーマである。効率性や確実性を重視した既存の組織と、価値創造を主体とする組織では組織の構成や制度をきっちりと分けたハイブリッドなマネジメントが求められる。

 さらに実行すべきは「事業目的の再確認と一気通貫の変革」。顧客に新しい体験や価値を提供すること、そして顧客や社会の課題解決が事業の目的だ。その目的を実現するビジネスモデルを構築するには、組織や人材、業務プロセスとシステムの全体をとらえた改革が重要。システムは目的達成の一部であり、システム改革だけでは課題解決につながらない。

 そうした変革を実現するために、「Digital CAFISで目的とするのは単に顧客の要件に応じたシステム開発ではない。新たな価値を創造することがねらいであり、われわれにも価値創造能力が必要になる」と渡邊氏は語る。そのためにSAFe(Scaled Agile Framework)を利用し、新たな付加価値確立に向けてアプローチを進めているわけだ。さらに「新たな価値創造を通じて、顧客事業の変革や社会課題の解決が目的。そのために消費者への提供価値の向上、顧客の成功も重要になる」と、顧客エコシステム全体の継続的発展が「Digital CAFIS」のコンセプトだと渡邊氏は強調している。

DIGITAL CAFIS概念図

デジタルcafis概念図

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