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センター商品と店内加工の一体感に注目! 「スーパー三和横浜鶴見店」売場レポート

矢野清嗣
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買いやすい配置で堅実な売場づくり

 三和は「ラゾーナ川崎店」や「トレッサ横浜店」(いずれも神奈川県)のような大型繁盛店、ディスカウントスーパーの「フードワン」など多様な形態の店舗を展開している。

 横浜鶴見店は商品構成も無難にまとめ、肩を張らない自然体のスーパーマーケットとも言える店舗だ。三和の基本戦略である「地域蜜着」と「ドミナント(地域集中出店)政策」に基づき、川崎と横浜を結ぶ空白地域に出店した格好だ。店舗は立地、規模、お客の生活スタイルなどを考慮し、商圏をある程度絞って、周辺住民のための店舗と位置づけている。

 最近のスーパーマーケットの繁盛店は、生鮮部門と日配部門でいかに競合店との違いをアピールできるかがカギになる。

真あじなど、一部の丸物は平台横のスペースで広く展開されていた

 横浜鶴見店は鮮魚、精肉、総菜はセンター商品と店内加工で構成されており、鮮魚はマグロ、刺し身、丸物が店内加工であり、切り身、塩干などはセンター商品と外注商品となっている。精肉は牛肉、豚肉、鶏肉など67割はセンター商品だが、牛肉、豚肉の売れ筋商品や訴求品は店内加工で提供する。

「ミルフィーユ鍋セット」(980円)は目線の高さにあり、ボリューム感ある見た目で目立っていた

 総菜は寿司が店内加工で、弁当とおにぎりは店内加工とセンター商品で対応している。とくに、弁当はセンター商品と店内加工の一体感があり、両者の垣根を感じられない。この一体感が売場の強さになっている。

 また、販促に積極的であるのも三和の特徴だ。カード会員「5倍ポイント」や日替わりで「鹿児島黒豚2割引き」、「ハーゲンダッツ4割引き」「干物・タラコ・明太子3割引き」「冷凍食品半額」「ワイン1割引き」「米・雑穀類・ノリ2割引き」などを生鮮売場と関連させながら販促をかけている。そして、価格訴求にもきめ細かく対応している。

 「生麦」駅の隣、JR・京急「鶴見」駅前には大型店がある。ただ、お客に話を聞くと、横浜鶴見店が立地する第2京浜国道周辺には人口が多いにもかかわらず食品小売店があまりなく、住民たちは利便性を求めてスーパーマーケットの誘致を願っていたという。競合店が周辺にないと売場全体に安定感が生じ、売場に余裕が生まれる。買いやすい配置、堅実な対応で地域に溶け込むような店舗となっている。

(店舗概要)
所在地  神奈川県横浜市鶴見区岸谷3-9-1
開店日  2023年12月8日
売場面積 約400坪(歩測)
営業時間 9:00~21:00
駐車台数 約240台
アクセス 京浜急行「生麦」駅から徒歩12
競合店  西友鶴見店、ユーコープ岸谷店

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