早くも中部2店舗目!郊外立地に挑戦する「ロピア柳津店」の売場づくりをレポート

矢野清嗣
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ロピア(神奈川県/高木勇輔社長)は8月2日、岐阜県2店舗の出店となる「ロピア柳津店」(以下、柳津店:岐阜県岐阜市)をオープンした。2022年5月に岐阜県1号店である「モレラ岐阜店」(岐阜家本巣市)してから2カ月半ほどで2号店を出店したかたちだ。(なお、ロピアは2022年10月に岐阜県3号店の「可児店」をオープンしており、現在は岐阜県に3店舗体制となっている)。中部エリア2号店ではどのような売場づくりをしているのか。現地に足を運んだ。
調査日:2022年9月25、26日

ロピア柳津店の外観

ロピアとしては珍しい、典型的な郊外立地に出店

 ロピアが8月2日にオープンした「柳津店」は、名古屋鉄道竹鼻線「柳津」駅から直線距離で約2.5kmの場所にある。「岐阜」駅からだと、クルマで25分ほどの場所で、店舗周辺は倉庫や工場が点在する田園地帯が広がる。

 店舗は大型ホームセンター「スーパーホーム岐阜柳津店」の敷地内のテナント棟にある。オークワ(和歌山県)が運営するディスカウントフォーマット「プライスカット」の退店跡に居抜き出店した。

 凄まじい勢いで新規出店を続けるロピアだが、この立地への出店は悩んだことだろう。柳津店の周辺にあるのは倉庫や工場だけで、住宅はほとんどなく、クルマ以外のアクセス方法もなく、食品スーパーの立地としては難しいものがある。

 そうした事情もあってか、柳津店の売場配置は自社の基本スタイルを踏襲し、品揃えを絞るなど、ロピアとしても慎重に店づくりをしたことが窺える。商品の絞り込みも、売れ筋を重視するというよりも「自社が売りたい商品を優先して配置し、利益を確保する」という姿勢が垣間見えた。

特性木製什器を定番売場に導入!

 同店の売場面積は歩測で約470坪。売場は主通路沿いに青果、鮮魚、精肉、総菜を並べたオーソドックスな配置で、売場スペース構成比を見ても、生鮮が35%、日配が24%、合計59%と標準的な食品スーパーの構成比となっている。ちなみに「モレラ岐阜店」も、生鮮と日配合計で59%であり、このスペース構成がロピアの基本スタイルであるようだ。

 一方で、新たな試みも見られた。通常ロピアではスチール製のゴンドラを使用しているが、柳津店では上段4段は従来のスチール製であるものの、下段3段は3尺サイズの特性木製什器を導入している。上段は35cmほど前に張り出しており、視線が集まるような仕掛けとなっている。

 調味料、パン、直輸入ワイン売場、ドライフルーツ、オリジナルスパイスなどの売場にこの特製什器を導入しており、これまでに見たことのない売場となっていた。こうした発想ができるのもロピアの現場主義の強みと言っていい。

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