みやぎ生協跡にオープンの600坪「生鮮ツルハ」の強力な売場づくりとは
本部を置く北海道から九州・沖縄までの全国で2500店舗超を展開する、ドラッグストア(DgS)大手のツルハホールディングス(鶴羽順社長:以下、ツルハHD)。同社も食品強化を図るDgSの1つで、一部店舗では生鮮食品もほぼフルラインで展開している。宮城県仙台市内にある生鮮導入型店舗の売場を調査し、ツルハHDの食品戦略の方向性を考察した。
調査日=2023年6月12日 ※文中の価格はすべて本体価格
みやぎ生協の退店跡に生鮮強化の大型店出店
仙台市中心部から北東へ約5㎞、JR仙石線「小鶴新田」駅から徒歩10分ほどの場所に2022年3月、「ツルハドラッグ仙台新田東店」(以下、新田東店)がオープンした。「みやぎ生協」の退店後に居抜き出店し、売場面積は約600坪。ツルハHDの店舗としてはかなり大型の部類だ。
新田東店の大きな特徴は、広大な売場スペースを使って生鮮食品(青果、精肉)を含む食品の品揃えを充実させている点にある。詳しくは後述するが、弁当やチルド総菜、冷凍魚、さらにはインストアベーカリーも展開しており、生鮮をほぼフルラインで展開しているといって差し支えないほど、食品に特化したフォーマットとなっている。
ツルハH D の最新決算(2023年5月期)の資料によると、食品の売上高構成比(グループ連結)は24.8%、前期からの伸び率は9.5%増に上る。さらに決算説明会において同社の鶴羽社長は、「商圏人口が縮小しているなかで、食品を(品揃えの1つに)含めて、来店頻度を上げるフォーマットをつくり小商圏で対応できるようにしていく」ことを出店政策の考え方として挙げ、食品強化に対する積極的な姿勢を示している。
こうした戦略下で、大型の生鮮導入店舗としてオープンした新田東店は、ツルハHDの食品戦略、店舗戦略を左右する重要な店舗の1つに位置づけられているとみられる。
青果と精肉が差別化・集客装置に
新田東店の売場を、生鮮を