漬物・キムチ市場、中高年層が支えるカテゴリー、メニュー提案で若年層にも訴求

石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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漬物カテゴリーとキムチカテゴリーの金額PIおよび金額PI対前年推移

料理提案や季節感演出など、華のある売場づくりへ

 少子高齢化による世帯人数の減少や食の洋食化による米食の減少、生活スタイルの変化に伴い、若年層を中心に漬物離れが進んでいる。また、主要顧客である中高年世代でも健康志向の高まりを受けて、漬物イコール塩分が多いというイメージから、漬物を敬遠しているユーザーもいるようだ。

 しかしコロナ禍を機に家で食事する機会が増えたこともあって、あらためて漬物を手に取る消費者も増えてきた。特にキムチは白菜だけでなく、キュウリを使った「オイキムチ」、大根を使った「カクテキ」などバリエーションも多く、キムチ鍋や炒め物など、料理への汎用性の高さで人気がある。

 コロナ禍においては在宅時間が長くなり、家で食事を作る機会も増えていることから、他の漬物もご飯のお供としてだけでなく、おにぎりやチャーハンの具材など、さまざまなメニュー提案を行っていくことで若年層が手に取る機会を増やすことができるだろう。

 また近年は、減塩ニーズに対応して塩分控えめの漬物も登場している。たとえば肉厚でやわらかい専用品種の小松菜を使ったマルハチの「やわらか菜」は、25%減塩のやさしい味付けで年代問わず人気がある。

 漬物は、他のカテゴリーに比べてロングセラーが多いこともあって商品の入れ替えが少ないが、野菜の旬に合わせた限定品も出ており、季節感を演出できる部分もある。

 ご飯のおかずとしての定番商品のラインアップに加え、季節商品の紹介や料理アレンジなど多彩な提案を行うことで売場の活性化につなげたいところだ。

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