人気絶大も業績は低迷  中国で「無印良品」が苦戦する理由

牧野 武文(ライター)
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日本との価格差に不満
「無印はセールで買うもの」

 なぜ人気はあるのに売れないのか。いちばん大きな理由は、価格設定が高すぎるからだ。良品計画の21年の年報にも「近年は業績拡大のペースが鈍化していると認識しています。これは、日常的に商品を購入するには価格がやや高いとの認知や……」という記述がある。しかし、中国で問題になっているのは価格そのものだけではなく、日本国内の価格との“格差”だ。両国で共通して販売されている商品は多いが、ほとんどが中国のほうが高い。ここに中国の消費者たちは不満を抱えているのだ。

 たとえば、日本で5990円(税込)で販売されている「超音波うるおいアロマディフューザー」は、中国では398元(約7600円:1元=19円換算)。今年11月11日の「独身の日」セールでは310元(約5900円)と大幅割引となり、日中の価格がほぼ同じになった。そのため、中国のSNSには「MUJI割引攻略」という記事があふれ、「無印良品の商品はセールのときに買うもの」という見方が広まってしまった。

 良品計画もこの問題を認識していて、日中の価格差解消を進めているようだが、まだまだ多くの商品が日本価格よりも割高で販売されている。そのため人気は高いのに、思うような売上につながらないという状況を引き起こしているのだ。

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