クローガー、ウォルマート、アマゾン・・・猛スピードで進む物流施設自動化が抱える課題とは
EC売上の急拡大に伴い、米国では新規のディストリビューションセンター(DC)やフルフィルメントセンター(FC)だけでなく、既存のリージョナル・ディストリビューションセンター(RDC)においても自動化の動きが本格化し始めた。しかし、巨額投資に対する収益の見返りや、突然始まったヒトとロボットの協働がもたらす問題など、中長期的な課題も浮上している。
クローガー、オカド式CFCが本格稼働
米食品スーパー最大手のクローガー(Kroger)は、ネットスーパー売上拡大のための切り札として、2018年5月に英オカド(Ocado)と提携し、AI 、先進的ロボット技術、自動化技術を導入してフルフィルメントから出荷、カスタマーサービスを効率化するカスタマーFC(CFC)の建設計画を発表した。今年4月にその1カ所目がオハイオ州モンローに、6月に2カ所目がフロリダ州グローブランドに開業した。各CFCには実店舗20~25店舗相当のEC売上とコスト削減効果が期待されている。
このCFCでは1000機以上のロボットが「ザ・ハイヴ」と呼ばれるグリッド(格子状に張られたレール)上を上下左右に動き、オーダー商品を集める。オーダー商品は、一般食品は赤、農産物は緑、肉類は黄色、冷凍食品は青といったふうに色分けされたトート(小型の袋)に収納される。商品が集まるとロボットが配送準備ステーションに運び、ここでアルゴリズムによって商品を最適にソートする。たとえば、「壊れやすいものは上に」「1袋当たりの重量は同程度になるように」「なるべくプラスチック袋を使わなくて済むように」などと計算しながら商品が詰められていく。その後、オーダーは常温、冷凍、チルドの3温度帯管理機能がついたクローガーの配送車に積まれ、アルゴリズムが道路の混雑情報や燃費効率を考慮した最短のルートを計算、それに沿って1台で約20カ所に配送していく。

「ハブ&スポーク戦略」で未出店地域の制圧をねらう
同時にクローガーは
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