米3M、第2四半期予想下回る コロナ禍で広範な影響
[28日 ロイター] – 米複合企業スリーエム(3M)が28日発表した第2・四半期決算は、新型コロナウイルス感染拡大で業務全般が影響を受けたことで、利益と売上高が市場予想を下回った。
3Mは医療用マスク「N95」の世界最大のメーカー。新型ウイルスの世界的な感染拡大を受け同マスクの需要が急増したが、感染拡大を受け多くの企業が社員の在宅勤務を奨励するなどしたことで、オフィス用品や産業用品などの需要が広範に減少した。
売上高は72億ドルと、82億ドルから減少。リフィニティブがまとめた予想の73億2000万ドルに届かなかった。
調整後の1株当たり利益は1.78ドル。アナリスト予想は1.80ドルだった。
営業費用は16%減の54億ドル。
部門別では、防護フィルムや自動車向け接着剤など広範な製品を扱う輸送・電子部門の売上高が20.9%減少した。同部門は売上高全体の約27%を占める。口腔ケア製品と宇宙関連製品の需要も落ち込んだ。
地域別の売上高は、アシア・太平洋地域が8.5%減、欧州・中東・アフリカが16.4%減、米国が12.7%減。
N95マスクについては、年内の製造枚数を20億枚に倍増させる目標は達成できるとした。同社はこれまでに約8億枚を販売している。
3Mは新型ウイルス感染拡大で先行き不透明感が高まっているとして、業績見通しは公表しなかった。