企業物価、5月は+4.9%と12年8カ月ぶり上昇幅 世界経済の回復で

ロイター
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川崎の工場
6月10日、日銀が発表した5月の国内企業物価指数は前年比プラス4.9%で、2008年9月以来の上昇幅だった。川崎の工場で昨年5が撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 10日 ロイター] – 日銀が10日に発表した5月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比プラス4.9%だった。世界経済の回復に伴い、幅広い製品の価格が押し上げられている。

前年比伸び率は2008年9月以来の大きさで、ロイターがまとめた市場予想(プラス4.5%)も上回った。

前年比での上昇は3カ月連続。石油・石炭製品、非鉄金属、化学製品などが押し上げに寄与した。国内の需要動向を比較的反映しやすい鉄鋼、木材・木製品なども緩やかに上昇している。「昨年5月が新型コロナウイルスの影響を大きく受けていたことを割引いても、世界経済の回復を受けた国際市況の上昇が幅広い製品の値上がりを通じて物価を押し上げている」(日銀の担当者)という。

744品目中、前年比で上昇したのは356品目、下落したのは279品目。上昇が下落を77品目上回った

前月比はプラス0.7%と6カ月連続プラス。電力・都市ガス・水道、非鉄金属、石油・石炭製品、スクラップ類、化学製品、鉄鋼などが上昇に寄与した。

今後、石油・石炭製品、非鉄金属、化学製品の一部では原材料高を反映した値上がりが続くことが見込まれる一方、「原材料価格の転嫁には時間を要しているとの声も聞こえる」(同)という。ワクチン接種の進展などで世界経済の回復が続いているが、インドの感染拡大による需要減退で製品の一部に値下がりするなど、新型コロナの影響は引き続きみられている。

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