インバウンド復調で業績急回復! 最新決算発表前に振り返る、百貨店2022年度決算

兵藤 雄之
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2022年度は人流、インバウンド需要の回復で2ケタ増収

 間もなく、2月決算、3月決算企業の23年度決算が発表される。各社の決算発表を前に、22年度決算での売上ランキングはどうなっていたのか、ここで振り返っておこう。

図表●百貨店2022年度決算

 日本百貨店協会が発表した22年の全国百貨店売上高は前年比13.1%増。行動制限の解除に伴う人流回復、インバウンドの復活を背景に、大手を中心に百貨店各社の業績は回復に向かいつつあることが明らかになった。

 しかしながら22年度決算は新収益認識基準の適用により、消化仕入れやテナント売上高の会計処理の考え方が変わり、多くの企業で売上高が大きく目減りをするかたちとなった。

 売上上位の顔ぶれは、髙島屋が3091億円(新収益認識基準適用のため前年比較数値なし)、三越伊勢丹が2441億円(17.1%増)、大丸松坂屋百貨店が1983億円(13.4%増)、そごう・西武が1854億円(40.6%増)、阪急阪神百貨店が1576億円(19.7%)となっている。

 髙島屋の総額営業収益の比較では14.9%増と2ケタ増収だった。三越伊勢丹は首都圏を中心に宝飾・時計、ラグジュアリーなどの高額商品が好調で、外商の売上も大幅に増加した。大丸松坂屋は富裕層マーケットが活発に動き、高額商品の売上が伸びた。

 日本百貨店協会の公表資料によると、24年1月の概況は、コロナ前の売上高(20年比)でも0.2%増とプラス基調を継続、インバウンド売上も1月として過去最高を更新した(20年比25.7%増)。商品別では、ラグジュアリーブランドのバッグや時計、宝飾品など高額商材は依然として需要の強さに変化なく増勢が続いている。

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