市場規模拡大、寡占化進行!小売業12業態、最新市場規模&占有率2024
業界関係者が驚いた“再編劇”とは
もう1つ業界関係者を驚かせたのが、西友(東京都)のエリア再編だ。西友は24年8月に九州5県で展開する69店舗をイズミ(広島県)傘下のゆめマート熊本(熊本県)に、10月には札幌市内の9店舗をイオン北海道(北海道)にそれぞれ売却している。これにより西友は北海道と九州から撤退し、今後は本州に経営資源を集中させるという。
企業買収に詳しい業界関係者によれば、「一般的な企業買収では店舗の不動産賃貸借契約もそのまま引き継ぐというケースが多いが、店舗譲渡というかたちであれば譲渡する側が違約金を払って店舗を引き渡すということもある。つまり、譲り受ける側に(M&Aと比べて)コスト面のメリットがある」と話す。再編が進んでいく過程では、店舗譲渡による「エリア分割」も今後見られるかもしれない。
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新たな再編の火種となりそうなのが人件費や人手不足などの人に関わる問題だ。小売業界では24年の春闘で2年連続の過去最高水準の賃上げが行われた。
さらに政府は30年半ばまでに最低賃金を1500円まで引き上げる目標を掲げている。つまり、最低時給が現在の約1.5倍になる計算で、小売業は「時給1500円時代」を前提としたビジネスモデルを構築しなければならない。原材料費や物流費といった各種コストも含めて自社ビジネスの収益構造の抜本的な見直しを迫られるなかで、さらなる再編・淘汰に発展していく可能性もありそうだ。
この先も事業環境が激変していくことが確実視されるなか、シェア争いの主役になるのはどの企業か。本特集で示したマーケットシェアから読み解いてほしい。
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