海外生産・物流拠点拡大!ダイソー1 兆円戦略を矢野靖二社長が語る

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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国内に約4300店、国外に約1000店という広大な店舗網を持ち、主力の「DAISO」に加え、コンセプチュアルな生活雑貨に特化した「Standard Products( スタンダードプロダクツ)」、300円ショップ「THREEPPY(スリーピー)」からなる3つのフォーマットでさらなる成長を遂げている大創産業(広島県)。売上高1兆円・国内外1万店舗という中長期の目標に向け、どのような成長戦略を描いているのか。矢野靖二社長に直撃した。

大創産業代表取締役社長 矢野靖二(やの・せいじ)

PROFILE
1971年広島県東広島市生まれ。95年吉備国際大学卒業後、イズミに入社。
2015年、大創産業入社。取締役、副社長を経て18年3月より現職。

1ドル170円でも“潰れない”ための準備

──足元の事業環境についてはどのような認識を持っていますか。

矢野 一言で言えば厳しいですね。海外の供給先から直接仕入れる商品が多いので、為替変動の影響をダイレクトに受けています。

──為替変動を含めてあらゆるコストが高騰するなか、100円という価格帯を維持することは難しくなっています。

矢野 こうした状況なので、価格を引き上げざるを得ない商品については、何らかの付加価値をつけたうえで価格を変更します。

 ただし、100円がメーン価格帯であることは変わりません。100円商品の比率は2022年度で約85%、23年度は約80%と5ポイント(pt)ほど減っていますが、ここから5pt以上落ちることは今後ありません。

 何より、100円のプライスラインを維持しなければ、買い上げ点数が一気に下がることになります。これはわれわれにとっては死活問題です。

──24年2月期の売上高は、前期から約6%増の6249億円と好調です。

矢野 売上こそ堅調ですが、やはり利益面は厳しい状況が続いています。これについては為替次第としか言えないので、利益の多寡で一喜一憂することはしません。一方で1ドル170円台を“ワーストシナリオ”として想定して、その局面でも会社が潰れなくて済むような準備はしています。その1つが、

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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