8期ぶり黒字転換、経営破綻からビジョンメガネが復活できた理由

取材・文:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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「マエストロ」制度を導入

 商品のほか、ビジョンメガネでは高付加価値型ビジネスを展開する方針のもと、サービスにも力を入れる。

 充実した保証制度はそのひとつだ。19年1月からは新たに有料の「ビジョンパーフェクト保証」を導入した。国内大手損害保険会社と連携した、メガネ業界では初となる取り組み。3年間、見え方が変わった時に何度でもレンズを交換できるほか、レンズのキズやフレームの破損も修理、または代替品と交換できるなど、手厚いサポートを行う。

 保証上限金額により、料金が異なる4つのプラン(税込み1万800円~4万6800円)を用意。視力が変化しやすい育ちざかりの子供はじめ、「安心してメガネを使える」と幅広い利用者から好評を得ている。

ビジョンメガネの独自の資格制度「マエストロ制度」
技術力の「可視化」にも取り組んでおり、19年2月から独自の資格制度「マエストロ制度」を導入した

 一方、古くから強みとする技術力の「可視化」にも取り組み、19年2月からは独自の資格制度「メガネのマエストロ」制度を導入。マエストロは4段階(S級・SS級ブロンズ・SS級シルバー・SS級ゴールド)あり、同社では学科試験と実技試験を通じて合格者を認定している。

 SS級ブロンズ以上の等級はネームプレートに示し、接客時、利用客への安心感提供にも役立てている。めざす目標が明確であるため、従業員にとってはモチベーションの喚起にもつながっている。

 今回、紹介したような高付加価値型ビジネスにより、事業拡大をめざすビジョンメガネ。安東社長は、「かつて店舗数は最大で300近くあったが、リストラにより大きく減っている。長期的には、以前の状態の水準にまで戻すことができれば」と意気込みを見せる。

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取材・文

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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