年率約30%成長!止まらない快進撃 ロピア、強さの秘密を徹底分析!

小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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SPAに向かうロピア、今冬に京都進出か

 さて本特集では、“ロピア対策”についても考察している。圧倒的な集客力を持つロピアは確かに自店を脅かす存在ではあるものの、対抗不可能というわけでもなさそうだ。実際に神奈川県の秦野エリアでは、埼玉県を本拠とするベルク(原島一誠社長)が、ロピアとほぼ同時期にオープンした店舗において、巧みな価格対応により多くのお客から支持を集めている。

 ロピアの店づくりや商品政策は、生産性や作業効率のアップを目的に“割り切った”部分も多い。ロピアの強さを分析していけば、自店でも実践可能な対抗策も見えてくるはずだ。本特集内の部門別調査でも、専門家らが“ロピア対策”を解説しているので参照されたい。

 最後に、ロピアの直近の動きを確認しておきたい。最近の同社にはSPA(製造小売)に向かう動きが観測されている。21年に入り、山梨県で鶏肉の加工販売を手掛ける甲斐食産、千葉県で酪農業を営む斉藤牧場などをグループに加えたほか、「ロピアファーム」という名の新法人を立ち上げている。この新法人がグループ内でどのような役割を果たすのかは明らかにされていないが、法人名からしてアグリビジネスに関連した企業であることは間違いなさそうだ。

 これら新グループ会社はロピアのSM事業にどのような影響をもたらすのか。最近のロピアの売場を見ていると、16年に傘下に入った総菜製造の利恵産業は、すでにロピア総菜部門においてなくてはならない存在となっている。また、調味料コーナーでは18年にグループに加わった醸造メーカー、丸越醸造の商品ラインアップが大幅に増えている。さらなる製造機能の取り込みにより、商品力がいっそう強化されることが予想される。

 さらに本特集の取材中、ロピアが21年冬に京都府内に新規出店するという情報をキャッチした。公式発表はされていないものの、「京都」駅近くの好立地に出店する、とすでに関西の小売関係者の間で注目の的となっている。また、真偽は定かではないが、東海地区へ出店するという噂もある。

 関西進出で衝撃を与えた20年に引き続き、話題に事欠かないロピア。21年のSM業界も同社が話題の中心にいることになりそうだ。

会社概要

創業年月日 1971年4月28日
本店所在地 〒212-0016 神奈川県川崎市幸区南幸町2-9
代表者 高木勇輔 代表取締役
総店舗数 62店舗(2021年9月時点)
関連会社 ユーラス、川崎南部青果、利恵産業、丸越醸造、川崎丸魚、
eatopia、斉藤牧場、甲斐食産、ファインド大宜見、ロピアファーム

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記事執筆者

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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