グローバルSPAと真逆の理由でSDGsを強化するスーパーブランド、その隠された高収益の真実
SDGsへの取り組みは、超ハイブランドと超ローブランド二択だけ
ファッション誌をみれば、あちこちでSDGsへの取り組みが上げられているが、どれもスーパーブランドであることにお気づきだろうか。前述のマズロー欲求5段階説で説明されている通り、人は、まず自分が生きてゆくという基本的な欲求が満たされれば、社会に貢献したいと思い、さらに高次な欲求に昇華する。
もっと平たくいおう。先週書いたDo Classe の創業者は、創業時「ペットフード通販に、当時めずらしかった高額通信販冊子を同送すれば富裕層に届く」と考え、同送カタログをしたそうだ。この分析は見事にあたり、
「CPA(成果単価)が、、、」など、横文字を使う人は多いが、こうした相関性を見事に見抜き獲得コストを安価に抑えた手腕はさすがと言わざるを得ない。金がなければ知恵を使えということだろう。あえて言おう。
その後の同社の躍進はいまさら書くまでもないが、 ここでいいたいことは、ハイブランドとは消費者も自我確立・維持欲求など遙か昔に満たされ、むしろ「社会的意味がある自分でありたい」と思う層に訴求をしているということでである。
例えば、あるトップ・メゾンは、15年前から余った服を赤十字に寄付し、当時、アフリカなどに送っていた。日本でユニクロが猛威を振るっていた時期だったから、「日本人はユニクロしか買えないが、アフリカの難民はハイブランドを着ている」という冗談話をよく覚えている。
これに対し、ユニクロやH&Mなど、世界規模で事業を展開する企業もSDGsへの取り組みは積極的に見えるが、上記に上げたトップ・メゾンとはやや事情が異なっている。彼らグローバルSPAの中心顧客は年収でいえば300万円程度。とても、社会活動にプレミアム料金を払う余裕などない。彼ら、彼女達の言葉を借りていわせていただければ、「安くてかわいければいい」ということになる。
しかし、決算発表をしたファーストリテイリング柳井正会長兼社長にウイグル問題について記者たちがしつこく回答をもとめ、「2兆円の売上を支える社会責任」を追求する様をみると、ハイブランドとは違った事情が見えてくる。
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