トラスコ中山が強化する在庫量×物流力の「独創サービス」

小笠原 玲 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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工具の専門商社であるトラスコ中山(東京都/中山哲也社長)の、2024年12月期の売上高は2950億円(対前期比10.0%増)、営業利益200億円(同7.4%増)で増収営業増益を達成した。25年12月期は、自社の強みである物流網と在庫力を掛け合わせた「独創サービス」を強化する。

24年通期で増収増益を達成

 新設住宅着工件数の減少や、商品価格の高騰の影響を受けて、工具市場は全体的に鈍化傾向にある。そんななかでもトラスコ中山は2024年12月期に増収営業増益を達成した。

 販売ルート別の売上構成比は機械工具商、溶接材料商など向けの「ファクトリールート」が66.8%、通販企業向けの「eビジネスルート」が23.1%、「ホームセンタールート」が9.1%、海外ディーラー向けの「海外ルート」が1.0%で、いずれも前期を上回った。とくに好調なのは、eビジネスルートで、売上高は対前期比15.3%増となった。また、ホームセンタールートの売上高も同10.6%増で、堅調に推移している。

トラスコ中山の中山哲也社長
トラスコ中山の中山哲也社長

 25年12月期は、売上高3174億円(同7.6%増)、営業利益211億円(同5.8%増)を目標に掲げる。同社の強みは全国28カ所に展開する物流センター網と、61万アイテムを誇る在庫量である。30年までに在庫量100万アイテム保有をめざし、物流センター「プラネット愛知」「プラネット新潟」の2カ所を建設中だ。

 中山社長は「他社にはできないことをやるというのがわれわれのテーマである」と話し、この物流網と在庫力を掛け合わせた「独創サービス」を強化することでシェアの拡大をねらう。

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記事執筆者

小笠原 玲 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

早稲田大学文学部(ドイツ哲学専攻)を卒業後、教育系の編集プロダクションで国語の入試問題の制作を担当。2024年、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。

休日の大半を台所で過ごすほど、無類の料理好き。得意な料理は、出汁巻き卵と切り干し大根の煮物。料理研究家の土井善晴氏を尊敬している。

趣味は、ミニシアターで映画をみること。音の大きな映画が苦手で、日常を切り取ったような変哲のない映画やドキュメンタリー映画を好む。見た作品のリーフレットを持ち帰り、コレクションしている。

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