#18 スーパーの3極寡占化が促した?北海道で先行するメーカー発の物流効率化
物流の北海道現象とは
北海道で先行させた物流改革のノウハウを全国に波及させる試みもあります。味の素、ハウス食品グループ、カゴメ、日清フーズ、日清オイリオグループの5社は19年4月、全国規模で共同物流を手がける会社「F―LINE」を立ち上げました。各食品メーカーの壁をなくし、各社が保有する倉庫やトラックを相互利用して食品物流の効率化を目指す意欲的な取り組みですが、この構想がスタートしたのも北海道でした。
5社のうち日清オイリオグループを除く4社は2年前の17年3月、味の素物流の子会社、北海道エース物流(北広島市)を4社の均等出資に切り替え、社名変更。共同物流の枠組みづくりに踏み出しました。実は、その際に付けられた新しい社名が「F―LINE」だったのです。
構想の始まりは、各社が16年から北海道で手がけていたドライ系食品の共同配送でした。各社が使用していた四カ所の物流施設の二カ所に集約した上で、基幹システム、伝票納品手順書など味の素物流の仕様に統一、大きな効果を上げました。
その成功体験を基礎に、商品の受注から輸送、保管、配送、納品、返品、廃棄に至る物流のすべての機能の標準化を目指したのがF-LINEでした。
北海道で産声を上げたF-LINEは17年4月、同じく味の素物流の子会社だった九州エース物流の全株式を取得。北海道で取り組んだ共同物流モデルを各地に水平展開。全国規模の共同物流の枠組みにまで発展し、今日に至っています。物流の北海道現象-。そんな言い方も可能かも知れません。
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