顧客データ分析に磨きかけ、安さ以外の価値を提供する=オギノ 荻野 寛二社長

聞き手・構成:下田健司
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純粋持株会社体制で成長戦略の幅を広げる

──昨年7月、CGCグループ共通の電子マネー「CoGCa(コジカ)」を全店導入しました。ねらいは何ですか。

荻野 現在、当社の電子マネー会員数は約6万人です。これをもっと増やしていきたいと思っています。電子マネーの導入によって、お客さま1人当たりのレジ通過時間が2~3秒短縮されています。これを、さらに5秒くらい短縮できれば、従来どおりのサービスを提供しながら、人時を減らすことが可能になると考えています。

 電子マネーを利用しているのはおもに上得意のお客さまです。電子マネー会員が増えれば上得意化もさらに進むでしょう。

──16年度の出店については、どのように考えていますか。

荻野 SMはスクラップ&ビルドで1店舗を出店する計画です。衣料品専門店は3店舗の出店を計画しています。

 衣料品専門店については、今まで以上に力を入れていきたいと考えています。高齢化が進むなか、ワンストップショッピング機能を提供することが大事になってきています。衣料品の商売は確かに厳しいですが、食品、衣料品、雑貨など日常生活に必要なものが一カ所で大体揃うことを便利だと思う方が増えていくでしょう。高齢になると、若者のようにクルマで買い回ることが少なくなり、生活範囲が狭まるからです。ワンストップショッピング化というのは、これからのわれわれの店づくりにおいて非常に重要だと考えています。衣料品専門店はほとんどの場合、SMを核店舗にした近隣型ショッピングセンターに出店しています。当社は衣料品出身ということもありますから、衣料品のビジネスをしっかりと組み立て力をつけていきたいと思っています。そうすれば、新しい衣料品の商売が見えてくるでしょう。

──今後の成長戦略についてどのように考えていますか。

荻野 出店は、来年度以降も着実に進めていきます。出店エリアは、県外を含めて物流センターのある山梨県笛吹市八代町から2時間圏内を考えています。

 14年3月に当社はオギノホールディングスを設立し、純粋持株会社に移行しました。これから、一緒にやっていく企業が出てくるかもしれませんし、われわれの事業を分社化していくことがあるかもしれません。純粋持株会社への移行によって、企業の成長戦略の幅を広げていきたいと考えています。

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